『念仏無間地獄事(六郎恒長御消息・謗法墮獄抄)』(佐前) | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

 所詮(しょせん)念仏を無間地獄と云(い)ふ義に二(ふたつ)有り。一(ひとつ)には念仏者を無間地獄とは、日本国一切の念仏衆の元祖 法然上人(ほうねんしょうにん)の選択集(せんちゃくしゅう)に、浄土三部を除きてより以外一代の聖教(しょうぎょう)、所謂(いわゆる)法華経・大日経・大般若経 等の一切大小の経を書き上げて「捨閉閣抛(しゃ へい かく ほう)」等云云。之(これ)に付きて上人の亀鏡(ききょう)と挙(あ)げられし処(ところ)の浄土の三部経の其(そ)の中に、双観経(そうかんぎょう)に阿弥陀仏の因位、法蔵比丘(ほうぞう びく)の四十八願(がん)に云はく「唯(ただ)五逆と誹謗正法(ひぼうしょうほう)とを除く」云云。法然上人も乃至(ないし)十念の中には入(い)れ給(たま)ふと いえど(雖)も、法華経の門を閉じよと書かれて候(そうら)へば、阿弥陀仏の本願に漏(も)れたる人に非(あら)ずや。其の弟子 其の檀那(だんな)等も亦(また)以(もっ)て此(か)くの如(ごと)し。法華経の文(もん)には「若(も)し人信ぜずして 乃至 其の人 命終(みょうじゅう)して阿鼻獄(あびごく)に入(い)らん」云云。阿弥陀仏の本願と法華経の文と真実ならば、法然上人は無間地獄に堕(お)ちたる人に非ずや。一切の経の性相に定めて云はく「師堕(お)つれば弟子堕つ、弟子堕つれば檀那堕つ」云云。譬(たと)へば謀叛(むほん)の者の郎従(ろうじゅう)等の如し。御不審(ごふしん)有らば選択を披見(ひけん)あるべし[是一]。
(平成新編0319~0320・御書全集1368・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0632・昭和定本[1]0440~0441)
[文永01(1264)年09月"文永06(1269)年09月"(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]