始めに三蔵教とは、阿含経(あごんきょう)の意(こころ)なり。此(こ)の経の意は六道より外(ほか)を明かさず。但(ただ)六道[地・餓・畜・修・人・天]の内の因果の道理を明かす。但し正報(しょうほう)は十界を明かすなり。地・餓・畜・修・人・天・声聞・縁覚・菩薩・仏なり。依報(えほう)が六にて有れば六界と申すなり。此の教の意は六道より外を明かさゞれば、三界(さんがい)より外に浄土と申す生処(しょうしょ)ありと云(い)はず。又 三世に仏は次第(しだい)次第に出世すとは云へども、横に十方に並べて 仏 有りとも云はず。
(平成新編0083・御書全集0390・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0190・昭和定本[1]0057)
[正嘉02(1258)年02月14日(佐前)]
[古写本・日目筆 保田妙本寺]
[※sasameyuki※]