玄(げん[細雪注・天台大師 説の『妙法蓮華経玄義(法華玄義)』のこと])に云(い)はく「眼・耳・鼻・舌 皆(みな)是(これ)寂静(じゃくじょう)の門なり。此(これ)を離れて別に寂静の門 無し」と。籤(せん[細雪注・妙楽大師 著の『法華玄義釈籤』のこと])に云はく「実相(じっそう)常住は天の甘露(かんろ)の如(ごと)く 是 不死の薬なり。今 妙法を釈(しゃく)して能(よ)く実相に通(つう)ず、故(ゆえ)に名づけて門と為(な)す」と。寂静とは法華経なり。甘露とは法華経なり。止(し[細雪注・天台大師 説の『摩訶止観』のこと])の三に云はく「如来の無礙(むげ)智慧の経巻は具(つぶさ)に衆生の身中(しんちゅう)に在(あ)り。顛倒(てんどう)して之(これ)を覆(おお)ひて信ぜず見えざるなり」と。
(平成新編0055・御書全集ーーーー・正宗聖典ーーーー・昭和新定[1]0145・昭和定本[3]2019)
[康元01(1256)年(佐前)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]