『光日上人御返事(光日聖人御返事)』(佐後)[曾存] | 細雪の物置小屋

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[参考]『日蓮大聖人の「御書」をよむ 上 法門編』著者・小林正博
発行所・株式会社第三文明社
『日蓮大聖人の「御書」をよむ 下 御消息編』著者・河合 一
発行所・株式会社第三文明社

松 栄(は)ゆれば 柏(かしわ)悦(よろこ)ぶ、芝か(枯)るれば蘭(らん)な(泣)く。無情の草木(そうもく)すら 友の喜び 友の歎(なげ)き一つなり。何(いか)に況(いわ)んや親と子との契(ちぎ)り、胎内(たいない)に宿(やど)して九月(ここのつき)を経(へ)て生み落とし、数年まで養ひき。彼(か)に にな(担)はれ、彼に とぶら(弔)はれんと思ひしに 彼を とぶらふ うらめしさ、後 如何(いか)があらんと思ふ こゝろぐるしさ。いかにせん、いかにせん。子を思ふ金鳥は火の中に入(い)りにき。子を思ひし貧女(ひんにょ)は恒河(ごうが)に沈みき。彼の金鳥は今の弥勒菩薩(みろくぼさつ)なり。彼の河(かわ)に沈みし女人は大梵天王(だいぼんてんのう)と生まれ給(たま)ふ。何に況んや今の光日上人は子を思ふあまりに法華経の行者と成り給ふ。母と子と倶(とも)に霊山浄土(りょうぜんじょうど)へ参り給ふべし。其(そ)の時の御対面 いかにうれ(嬉)しかるべき、いかにうれしかるべき。
(平成新編1566・御書全集0934・正宗聖典----・昭和新定[3]2242・昭和定本[2]1879~1880)
[弘安04(1281)年08月08日(佐後)]
[真跡・身延曾存]
[※sasameyuki※]