一 爾前(にぜん)法華の能(のう)くらべの事
仰せに云(い)はく、爾前の経にして十悪・五逆の成仏の能なし。今(いま)法華経には十界皆成(じっかい かいじょう)分明(ふんみょう)なり。爾前経の無能と云ふ証文とは、方便品に云はく「但以仮名字(たんにけみょうじ)、引導於衆生(いんどうおしゅじょう)」の文(もん)是(これ)なり。さて法華経は能と云ふ証文は、諸法実相(じっそう)の文 是なり。今 末法に入っては第一の能たる南無妙法蓮華経 是なり云云。
(平成新編1860・御書全集0845・正宗聖典----・昭和新定[3]2926・昭和定本[3]2593)
[弘安01(1278)年03月19日~弘安03(1280)年05月28日(佐後)]
[古写本・京都要法寺、戸田妙顕寺]
[※sasameyuki※]