一、五人一同に云(い)はく、日蓮聖人の法門は天台宗なり。仍(よ)って公所に捧(ささ)ぐる状に云はく、天台沙門(しゃもん)云云。又(また)云はく、先師日蓮聖人天台の余流(よりゅう)を汲(く)む云云。又云はく、桓武(かんむ)聖代(せいだい)の古風を扇(あお)いで伝教大師の余流を汲み、法華宗を弘(ひろ)めんと欲(ほっ)す云云。
日興が云(い)はく、彼(か)の天台・伝教所弘(しょぐ)の法華は迹門なり、今 日蓮聖人の弘宣(ぐせん)し給(たま)ふ法華は本門なり、此(こ)旨 具(つぶさ)に状に載(の)せ畢(おわ)んぬ。此の相違(そうい)に依(よ)って、五人と日興と堅(かた)く以(もっ)て義絶(ぎぜつ)し畢(おわ)んぬ。
(平成新編1867~1868・御書全集1601~1602・正宗聖典0535~0536・昭和新定[-]----・昭和定本[-]----)
[延慶02(1309)年(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]