夫(それ)以(おもんみ)れば末法弘通の慧日は、極悪謗法の闇を照らし、久遠寿量の妙風は伽耶始成(がやしじょう)の権門を吹き払ふ。於戯(ああ)仏法に値(あ)ふこと希(まれ)にして、喩(たと)へを曇華(どんげ)の萼(はなぶさ[=蕚→蕊(はなしべ)の意とする説あり])に仮り類を浮木の穴に比せん、尚以(もっ)て足(た)らざる者か。爰(ここ)に我等宿縁深厚なるに依(よ)って幸(さいわ)ひに此の経に遇(あ)ひ奉ることを得(う)、随(したが)って後学の為に条目を筆端に染むる事、偏(ひとえ)に広宣流布の金言を仰がんが為なり。
(平成新編1883~1884・御書全集1617・正宗聖典0562・昭和新定[-]----・昭和定本[-]----)
[元弘03(1333)年01月13日(佐後)]
[真跡、古写本・無]
[※sasameyuki※]