10月25日午後、町田市民ホール第4会議室で、「市民の声を聴く町田市政をめざす会」の定期総会が開かれた。記念講演では、地方自治研究者の今井照(いまい・あきら)さんを講師に迎え、「『自治体は何のためにあるのか』から自治体と地方自治を考える」をテーマにお話しいただいた。講師の著書『自治体は何のためにあるのか』(岩波書店)は、昨年末に刊行された話題の本である。

  講演では、2000年の地方分権一括法によって進んだ地方自治の流れが、その後後退し、国による自治体への統制が強まっている現状が指摘された。とりわけ2024年の地方自治法改正は、対等であるべき国と自治体の関係を、再び国への「従属」に近づけるものだと批判された。

私たち市民が自治体のあり方を考えるうえで大切なのは、「市民と自治体」の関係だけでなく、「国と自治体」の関係にも目を向けることだという。

  いま自治体には、市民からさまざまな不満が寄せられている。その背景には、仕事が増え、複雑になる一方で、職員が減っているという厳しい現実がある。そのため、市民説明会を自治体職員ではなく、コンサルタント会社の社員が担うといった奇妙な事態も日常化している。

  その根本には、国が自ら担うべき仕事まで自治体に任せているという問題がある。国の仕事を自治体に委ねる制度(「第一号法定受託事務」)や、国の政策に関する計画づくり等が、補助金などを通じて自治体に事実上義務付けられているのである。

今井さんは、国と自治体の役割分担を見直し、国が担うべき仕事は国に戻す必要があると訴える。そして自治体は、「今日と同じように明日も暮らし続けられることを市民に保証する」という本来の役割に力を注ぐべきだと説いた。そのためにも、国と自治体が一体となって担っている仕事を、それぞれの役割に応じて仕分け直すことが急務だという。

 これまで「市民と自治体」の関係を重視して活動してきた私たちにとって、「国と自治体」という視点から地方自治を考える今回の講演は、多くの示唆を与えてくれるものだった。1時間の講演では十分に理解できなかった方には、ぜひ著書『自治体は何のためにあるのか』を手に取り、じっくり読んでいただきたい。         

  市民の声を聴く町田市政をめざす会 (M)