『息子のまなざし』
(2002年・ベルギー、フランス)
監督=ジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演=オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌ
更正施設で少年達に木工を教えるオリヴィエ。
新しい生徒がやってきた事で、静かだった生活に変化が起こる。
ダルデンヌ兄弟監督作品。
カメラワークが独特で面白い。主人公の男性の背後から、顔が
ほぼアップの状態で、プライベートフィルムの様に撮り続ける。
始まってから30分近く、何が起こったのか全くわからない。が、
主人公のオリヴィエは急に慌て始める。映像から、行動から、
その息遣いから、それがわかる。
おそらく新しく来た生徒が原因。だが、生徒の顔も暫くの間映し
出されない。そして、どうして動揺しているのかも明かされない。
この変わった展開のせいか、緊張感がある。観ていて戸惑いなが
らも、この後何が起こるのか目が離せないまま進んでいく。まる
で、オリヴィエを背後からこっそりと覗いているかのようだ。
動揺の原因が明かされてからも緊張感は続く。少年はオリヴィエ
の事を何も知らずにいる。二人の関係は、教師と生徒、大人と子
供、知る者と知らない者。優位に立つのはオリヴィエの方だ。
オリヴィエは一人暮らし。事情があって離婚したらしい事がわか
る。男一人の生活は孤独で静かだ。会話や音もない。少年がいる
と、彼をじっと睨むかの様に見つめる。何か言いたげに、それで
も言えずに、ただ見つめる。少年は何も知らずに、少年らしい無
邪気さで近づいてくる。オリヴィエを全面的に信頼している。
そして、言いたかった言葉をオリヴィエが口にした時に、二人の
関係に変化が起こる。
地味な映画だから評価がわかれそう。主人公の行動を追っている
から退屈な部分もあるだろう。だが、持続する緊張感と、微妙な
心理の描き方は、巧妙に仕掛けられている。最後になって、突き
つけられた真実にじっと考えさせられる。宿題をもらった気分だ。
こんな時、果たして私は何ができるんだろう、と。
単純に判断は下せないが、今も、そして今後、今以上に考えざる
を得ない問題がここにはある。
(2002年・ベルギー、フランス)
監督=ジャン・ピエール&リュック・ダルデンヌ
出演=オリヴィエ・グルメ、モルガン・マリンヌ
更正施設で少年達に木工を教えるオリヴィエ。
新しい生徒がやってきた事で、静かだった生活に変化が起こる。
ダルデンヌ兄弟監督作品。
カメラワークが独特で面白い。主人公の男性の背後から、顔が
ほぼアップの状態で、プライベートフィルムの様に撮り続ける。
始まってから30分近く、何が起こったのか全くわからない。が、
主人公のオリヴィエは急に慌て始める。映像から、行動から、
その息遣いから、それがわかる。
おそらく新しく来た生徒が原因。だが、生徒の顔も暫くの間映し
出されない。そして、どうして動揺しているのかも明かされない。
この変わった展開のせいか、緊張感がある。観ていて戸惑いなが
らも、この後何が起こるのか目が離せないまま進んでいく。まる
で、オリヴィエを背後からこっそりと覗いているかのようだ。
動揺の原因が明かされてからも緊張感は続く。少年はオリヴィエ
の事を何も知らずにいる。二人の関係は、教師と生徒、大人と子
供、知る者と知らない者。優位に立つのはオリヴィエの方だ。
オリヴィエは一人暮らし。事情があって離婚したらしい事がわか
る。男一人の生活は孤独で静かだ。会話や音もない。少年がいる
と、彼をじっと睨むかの様に見つめる。何か言いたげに、それで
も言えずに、ただ見つめる。少年は何も知らずに、少年らしい無
邪気さで近づいてくる。オリヴィエを全面的に信頼している。
そして、言いたかった言葉をオリヴィエが口にした時に、二人の
関係に変化が起こる。
地味な映画だから評価がわかれそう。主人公の行動を追っている
から退屈な部分もあるだろう。だが、持続する緊張感と、微妙な
心理の描き方は、巧妙に仕掛けられている。最後になって、突き
つけられた真実にじっと考えさせられる。宿題をもらった気分だ。
こんな時、果たして私は何ができるんだろう、と。
単純に判断は下せないが、今も、そして今後、今以上に考えざる
を得ない問題がここにはある。