見始めると止め時が分からない
とは、こういうことか。
家事の合間に…どころか
手が止まる。
気づくと見入ってる。
どちらかと言うと
好みのジャンルではないんだけど
だから見ずにいたんだけど
食わず嫌いはどこへやら。
当分これだけあればいいや、
くらいの食いつき。
複雑な味がする。
食材それぞれのダシが出て
旨味になって深いコクを増す。
苦味のあるスパイスが
甘みの良さを教えてくれる。
そんな味を噛みしめながら、
怒りや
誰かを許せずにいることを
否定することはない。
沸々とした感情があるからこその
人間なんだ。
自分なんじゃないか。
押さえ込むと出口を誤る感情たち。
怒りや恨みは
悪とされるから悪になる。
守るべきものを守るために
時に必要な力なのだ。
向けるべきところに向ける。
弱いものを救うためなら
悪魔の姿で正義を貫きたい。
自分の感情も
止め時がわからなくなってきた。
ずいぶんと引きずりこまれているようだ。
「教場」
一時間後には
教官の指導を受けている自分が見える。