仙台市ガス局は16日、東日本大震災で大きな被害を受けた市東部沿岸地区など復旧作業が困難な地域や、ガス供給の上で安全が確保できない地域を除いて、都市ガスの復旧作業を完了した。東部沿岸地区を除く復旧対象31万1144戸のうち、16日までに31万830戸(不在者宅などを含む)への供給を再開した。
市ガス局によると、残る314戸は宅地建物の損壊程度が激しい区域などにあり、地域の復旧状況に合わせて各戸と供給再開に向け協議する。
東部沿岸地区の復旧対象は3560戸で、うち被害が小さかった1425戸の開栓を終えた。今後、復旧させる2135戸のうち、比較的被害の小さい1771戸はおおむね1週間後から順次、供給を再開する予定。大きな被害を受けた364戸は、地域の復旧状況を見て対応する。
一方、震災の余震で運転を見合わせていたJR陸羽東線は16日、小牛田―新庄間の全線で運転を再開した。ほぼ通常ダイヤでの運行を予定したが、同日は強風のため運休や遅れが出た。
仙台市ガス、復旧きょうにも完了 当初見通しより早まる
仙台市ガス局の都市ガス復旧作業は16日、市東部沿岸地区など震災で甚大な被害を受けた地域を除き、完了する。3月23日から始まった開栓作業には、全国のガス事業者から最も多いときで約4000人の応援隊が駆け付けて協力。当初の見通しより早い3週間余りで供給再開にこぎ着けた。
市ガス局によると、15日午後5時現在の復旧率は95.5%で、復旧対象残数は1万4001戸まで減少した。1日当たりの開栓数は2万戸前後で推移しており、16日の開栓作業でおおむね完了する見通しが立った。
奥山恵美子市長は15日の災害対策本部会議で、全国の事業者の協力に「厳しい環境の中で長期間、作業に当たってもらった」と感謝した。
市は17日、応援隊の労をねぎらうセレモニーを行い、隊を解散。東部沿岸地区など作業が困難な地域や、留守宅で開栓できなかった住宅は市ガス局職員が引き続き、修繕・開栓作業に当たる。