武田鉄矢さん
10年くらい前のドラマ『仁』で泣きの演技を見てから、武田鉄矢さんってすごい役者さんだな~と思うようになったのですが、実はそれまで「武田鉄矢きらーい」でした。(呼び捨てすみません)「大昔に教師役で主演したドラマが当たっただけのくせに、バラエティー番組なんかで見かける度決まって人格者の教育者みたいな顔して偉そうなこと言いやがって。ケッ」って思ってた。(いろいろすみません)そんな感じだったのが、冒頭の『仁』での演技を見て一気に印象が変わりまして。そのときに気づいたのが、武田鉄矢さんの演技をちゃんと観たの、初めてだったな…ってこと。まともに演技を観たこともない役者さんと、その役者さん主演の見たこともない昔のドラマについて、「ケッ」って勝手に思ってた。実はこれには理由があって、その理由とは、私のお母さんでした。まだ実家暮らしだった頃にうちの母、ことあるごとに言ってた。大して可愛くもないのに「カワイイ」「カワイイ」って言われて育った娘ほど始末に負えないものはないって、武田鉄矢がテレビで言ってたからね!勘違いさせたら結局本人がかわいそうだもんね!(だから私は自分の娘に「カワイイ」とは言わない、的な意味で。)…私、実の母親から「大して可愛くもない」認定されてる~~~~今はもう どーでもいいけど。これを言われる度、すごく残念だった大きな声じゃなくても、いつもじゃなくてもいいから、他の人は知らないけど、母親の私にとっては、アンタは最高にカワイイ娘!って言われたかったなぁ。でもなんでか母に「それ、嫌だから言うのやめて!」と言えなくて、それで、八つ当たり的に武田鉄矢さんを悪者にして嫌ってたんだと思います。母がしょっちゅう「武田鉄矢が言ってた!」と言っていたのは事実ですが、武田鉄矢さんが実際にテレビでそのような発言をされたのかどうか、されたとして、どんなコンテキストでの発言だったのか、私は知りません。どうであったにせよそこに問題なし!と今は思っています。大人になった今の私が、当時の母に対して思うのは、是非『星の王子さま』をよく読んで出直して欲しいもんだわ、ってこと。いつか介護が必要になったら、連日連夜枕元で音読してやるから覚悟しとけよと目論みほくそ笑むのであります。