梅雨のさなかとはいえ
やはりな
今日は雨だよな
あの日は
たしか
どんより晴れ曇りだった
たぶん
蒸し暑かった
汗がとまらなかった、のは
わたしの汗だったか
一緒にいた者の汗だったか
記憶にはモヤがかかっている
夜中に何度も何度も
目が覚めた
いま思えば胸騒ぎというやつ
あれから数年後の
あの日と同じ日に
わたしは心を病んだ
無理をするなよ
我慢するなよ
ご飯をちゃんと食べなさい
晴れ曇りのアイリス色の空に
あの日突然旅立った
父からのメッセージだったのだろう
あれから20年
もうひとつの父の日は
いつも雨が降る