信じるものは
わらをもつかみ
困ったときには神様にすがる。
目が不快。
一見、なんの変哲もない。
きっと誰も信じてはくれまい。
不愉快だ。
気になり始めるとずっと見てしまう。
目で目をずっと見てしまう。
化粧をしながら、ドライヤーをかけながら、歯を磨きながら、目を見ている。
なんの変哲もない。
いっそのこと、気の迷いと一笑に付すことにした。
治癒力に任せることにした。
いつものようにお一日参りに行った。
メインの神様にしゃんしゃん。
三峯様にしゃんしゃん。
ほと。
目が合った。
『め』と目が合った。
白銅色の石の中に《目の神様》がいらした。
「参って帰りなされ」「はい」
目がころころするとゆうか、目がなんか変な感じなんです。
よくなりますように。
しゃんしゃん。
翌昼。
朝から目を見ていないことに気づいた。
お礼に行かなきゃな。
目の神様ありがとう、しゃんしゃん。