家族の会社には3人の外国人スタッフがいる。
ひとりはベトナムから。
ふたりは。
どこだったっけ。
何回聞いても忘れている。
どこの人?さして気にならない。
ふたりに初めて会えた。
コミュニケーションモンスターの片鱗が剥がれずにこびりついているわたし。
ここはまず握手からか。
英単語を引っ張り出してはくっつけて喋る。
「にほんご、まだ、むずかしい」
「いわれていること、わかる」
わたしの寄せ集め英語より、彼らの言葉の方がつじつまが合っている。
しっかりと目を合わせて話してくれる。
堂々としている。
「だいじょうぶ」
「いつもありがと」
何度も何度も言ってくれる、その笑顔が温かい。
ふたりを照らすアラゴンオレンジの夕陽が神々しい。
わたしが彼らの母国に行ったとして。
彼らと同じように胸を張っていられるだろうか。
自信がない。
コミュニケーションモンスターの片鱗はいとも簡単に剥がれ落ちるだろう。
「えいごは、わかる」
そうか、そうか、そう来たか。
チャンスの神は国を越えてわたしの背中を押しに来てくれていたのか。
そうだったのか。
わたし、えいかいわきょうしつ、いくよ。
first、experience、I'll be back、ok?