オラフはこの映画では脇役に過ぎないが最も重要なキャラクター。
Some people are worth melting for
雪だるまのオラフが凍えるアナのために暖炉に火をくべて助けるシーン。
暖炉の火で溶け出すオラフにアナが「溶けてしまうわ」と言うとオラフは答える「溶けてしまうだけの価値のある人間ているもんだよ」。
日本語字幕では「君のためなら溶けても構わないよ」となっていたけど、原語の方がすっと意味深い。
オラフはアナのためだと言ってるのだけど、直接、君のためとは言わない。
アナは溶けてしまうだけの価値のある人間が自分であるともちろん気付くわけだけど、オラフの遠まわしの表現の中で自分のことだとわかった時、その心情はたぶん、君のためと言われるよりアナにはぐっと来るに違いない。
この直後のアナの優しい安堵に満ちた笑顔のシーンがぐっと活きてくる。

外国映画のセリフがいつも粋に聞こえるのはこうした比喩的な表現が豊かで自然だからだ。

映画って観ていると本当に楽しい。



執筆:永田喜嗣