木曜日の朝。
やさしい青色の空に澄んだ空気が。
..............大渋滞を予測させた (笑)


天使の誘導により、いつもとは違うレーンに並んでいた私。
(困ったときの天使頼み 👼)

NO渋滞の反対車線側に違和感を感じ、目を見やる。

進めるはずの状況にも関わらず、車が立ち往生していたからだ。

“え? なに? なんで??”

一瞬、我れの目を疑った。
車の目の前に、よろよろと。
右往左往する、一匹のネコ。

そのネコが車の行く手をふさいでいたのだ。
先頭の車は状況を把握できているが、後続車はやや怪訝な表情が見て取れる。
でも、だぁれもクラクションを鳴らさない。

..... これ、冬道の岩手あるあるっぽいな。
停まりたいのに滑って停まれないから、信号が赤だと分かっていても行かせてもらうの。
みな、その車が通過するのを見守る(笑)
発進時も同様で、だぁれもクラクション鳴らさない(笑)

以上、岩手あるある(笑)



私のみならず。
同レーンの方々は皆さん、その様子を「ちょっとあれヤバくない?」と、見ていたはずだ。
感のいい人は私たちのソレで気づくだろう。


一度、車にあたってしまったのか。
それともお年寄りのネコで判断がつかなくなってしまったのか。
明らかに行動がおかしい。

その様子に、運転手もネコも。
戸惑っているようだった。

“どうしよう、助ける?”



そのときふと、遠い遠い昔の記憶が海馬から甦る。。。



二十歳になったばかりの頃。
いつもの通勤路をいつもと同じように走っていた。
すると、前の車が “何か” を避けながら走って行ったので目を凝らす。

“ん? あぁなんだ、ネコか ” 

ネコが道路脇に座っているだけのように思えた。

私も同じように避けようとしたその時見えたのだ、.......鮮血が。

“え、え、え! 車とぶつかったのっ?!”

背後からはダンプカーが迫る。
このままだと、あのタイヤに踏み潰されることは、おぞましくも容易に想像できた。

私は直ぐさま、ハザードを点け停める。
こういうときのために常備していたバスタオルを持って、ダンプカーに軽く頭を下げた。

静かにネコに近づく。

『お願い、逃げないで… 』

祈るような気持ちで手を伸ばした。

よほど痛いのか、起きた出来事に呆然としているのか。
ネコは大人しく私の腕に抱かれてくれた。

ダンプカーにまた頭を下げる。
急いで車に乗り、ネコを助手席のフットレストに寝かせた。

「… ニャ」 力無く鳴く声に。

『うん、痛かったね、ビックリしたね。今から病院に行くからね、それまでがんばるんだよ。』

安全運転とは名ばかりの運転で、うちのネコのかかりつけの動物病院へと急いだ。


病院に経緯を話したら、処置をしてもらえることになり、ほっと一安心。

薄々気づいているとは思うが(笑) 、既にこの時点で遅刻である.....

それらしい理由が浮かばず、正直に事実を話したら呆れられた。

まぁ、確かに今なら “おいおい… ” と思う(苦笑)
でも当時の私は、“冷たい大人たちめっ” と怒りを抱えたのだった。


無事にネコを病院に連れて行ったからといって、それで終わりではない。

『飼い主、探さなきゃ』

貴重な昼休みに飼い主を探して回った。
飼い猫なのは間違いないだろうと確信めいたものがあったし、おそらく近所(あのへん) だろうと目星をつけていた。

が、

あまかった....... ネコのテリトリーは私たちが思っているより遥かに広い。

昼休み時間では見つけられず、夕方、仕事が終わってからまた、探すことにした。


病院にその後の経過を確認し、やる気が漲る。
今度は、別の通りの家を一軒一軒訪ね回った。

すると、
「○○さん家のネコじゃないかなぁ?」
と、有力情報を得たのだ!

“よっしゃ!!” と心の中でガッツポーズを取り、その○○さん家を訪ねた。(ドキドキ... どうかお願い😣)


『あのぅ、すみません。。。』


有力情報通り、そのネコはその○○さん家のネコだった。

そう、ビンゴ!!!

朝の状況とネコの容態、そして、病院を飼い主さんに伝えることが出来たのだった。

ネコの命も繋ぐことが叶い、飼い主さんも無事に探し当てられ、今度こそ、漸くホッと一息ついたら、飼っている自分ちのネコに無性に会いたくなった。


はぁぁぁ (*´Д`)💨 にしても、
なんて長い1日だったろう.....
でも1日で飼い主見つけられるなんて奇跡だな、と思いながら家路を急いだ。



あとがき

ここまではなんとなぁくいい話のように思えるね。
自分の記憶もここでとどめておきたいくらいだもの。でもね?

うん(ー_ー;) ここから先はね?
私にとってもう最悪としか言いようがないほど傷ついた実話へと発展してゆくのですよ。

ほんとに。
大人は信じられん って嫌悪感を抱いたよね~。
いや、私も二十歳超えてたイイ大人なんだけどね ^^;

あれは..... 世の中が嫌になった出来事だったなぁ。
出来れば思い出したくない。

それまでは。
引かれたネコちゃんがこれ以上、痛い目に合わないように道路の端っこに寄せたりね。

あとは、このネコちゃんのように。
まだ命があるネコちゃんを助けられるように、車の中にバスタオルを常備してたりね。

でも、この一件があって。
命を助ける意味が分からなくなって、やめちゃった。

今は、そういうネコちゃんを見たら。

『怖かったね。痛かったね。今世のネコ人生の命、おつかれさまだよ。来世生まれてくるときは気をつけるんだよ。』

そう、心の中で祈るだけ。


それに、最近はそういった場面を目にすることもだいぶ少なくなってきている。

朝のネコも無事だったと思うよ。
その後、渋滞の列がほどけてたのをサイドミラーで確認したし。
夕方、そういった形跡は見当たらなかったから。


まぁ、結局。
助ける行動には至らなかったのだけど。
正直、あの時のように身体は動かなかったしね。


そうだなぁ。。。
当時の私は心が幼すぎて、結果それを招いたことになったのだと思うのね。

うん、ごめんね。
その思い出したくない内容を話してないから、なんのこっちゃワケわからんよね ^^;

う~ん.....
今は、その家族が私に対して取った言動も、解りたくはないけれどなんとなく理解できるのよ。

自分が被害者になった気でいたけれど、真実はだぁれも悪くないしね。

そう、だからこそ喋りたくない。

世間知らずだったなぁと。
無知(恥) だったなぁと。
そんな私が自ら招いて創造くった世界だったんだと、今は思うから。

そう!
世間知らず過ぎて、無知(恥) 過ぎて。
喋りたくなーーーい!!(笑)(笑)(笑)

笑い話にもならない(笑)
これは、私だけの胸に秘め、墓場まで持って逝く話の1つです。


ってなわけでまたね (* ̄▽ ̄)ノ~~ ♪


余談

これは金曜日の朝、撮影。
清々しい寒さ(笑)
木曜日のやさしい青とはうって変わり。
白い粉雪に映るほど、青青しい空の青。





加工、一切ナシでこれ。すごいねぇ。