私が自転車の旅で辿る道は、主に海岸線を、というのが定番になっている。山路が嫌いなわけではないが、山道には宿泊施設や食事処が少ないというのが難点だからだ。その点、海岸線沿いには漁港ごとに小さいながらも街があり、その地で水揚げされた旨い魚を食わせてくれる店がある。朝早く起きて朝市をフラフラ眺めたりするのも面白い。
昨年でいうと、淡路島を一周した。
淡路というと上沼恵美子さんの庭ネタでおなじみだが、特産は玉ねぎ、蛸、中でも由良の鱧は忘れてはならない。
京都の高級料亭で出される鱧はほとんど淡路島産だという。
その日、宿のカウンターで教えてもらった居酒屋で頂いた鱧尽くし料理は本当に美味しかった。
定番の湯引き、天ぷら。鱧鍋、鍋の〆は、こちらも特産のそうめんを投入していただく。鱧のだしが染み出したスープも美味しく、さっぱりと上品で、飲み干した後もしばらく口の中にだしの余韻が残っており、その余韻を消すのが惜しくて少し残っていたビールには手を付けずにタクシーに乗り込んだことをよく覚えている。
自転車で走り切った後は、身体がカロリーを欲しているせいもあって何を食っても旨いのだが、当地で味わうあの味はやはり格別であった。
また訪れたい場所のひとつ。
