昨年10月、大学病院精神科医師から二回目の説明を聞いた。

性被害後通院していた精神科のある病院の先生方に、大学病院精神科医師の説明について相談に伺った。

その中の一人の先生は、大学病院精神科医師が私の人格傾向(元来被影響性が高い)と診断したと説明した理由の一つである、心理テストの結果について指摘された。

心理検査の結果は被害後1年経過後のものだが、

「当時、あなたの状態は証言能力がないと思われるくらい能力が下がっており、まさに外傷的な状態です。
同時に口蓋ミオクローヌスを発症していることを考えたら、外傷的なトラウマティックな状態と思う。
また、
大学病院精神科で行われた心理テストの所見には性被害のことが全く書かれず、
性被害が起きてない前提で、元々あなたは能力が低い(発達障害の可能有り)と所見に書かれている、

この所見から元来(生まれつき)被影響性(欺されやすい、人を信用しやすい、考える能力が低い)が高いと診断されたのはおかしいのではないか、

被害から5年経過しているので、再度心理テストをうけてみて、結果がよくなっていたら元来(生まれつき)被影響性が高いとは言えないのではないか」

とアドバイスをいただき、急遽心理テストを受付けてくださる病院を探すことになった。

以前心理カウンセリングで御世話になった、大学の付属のカウンセリングに私も問い合わせをし、大学病院精神科医師の件を伝え、心理テストを受付けていただけないか尋ねた。

担当の方は、「大学の付属の心理テストは学生が行うため、裁判に提出することを考えたら、病院のほうがやはりよい」ということで、

心理テストを受付てくださる病院を6件程度紹介していただいた。


すぐに連絡し、その病院のソーシャルワークの方に、大学病院精神科医師の件と裁判まで一ヶ月しかないことを伝えた。

ソーシャルワークの方は素晴らしい対応で、その病院の女性医師と心理テストを同日に手配され(私の自宅からその病院が遠いということで配慮され)、連絡してから数日でその病院で心理テストをうけさせていただくことになった。

その病院の先生は、大学病院精神科医師の診断を説明すると、元来被影響性が高い診断するのは「ある程度生育歴から聞かないとわからないのでは」と言い

(大学病院精神科医師は診療時、私から生育歴どころかなにも話しを聞いていない。他の病院の医師達もおなじように生育歴から聞く必要があるのではないかと指摘していた)

こちらの要望をさらに叶えていただき、数日で心理テストのデーターをいただくことができた。

心理テストの結果は、大学病院精神科での心理テストより回復しているということだった。

(ただ、心理テストでは暗算で120割5という問題があったが、口蓋ミオクローヌスにより頭の中を破裂音が鳴り響いてるせいか、思考能力が回復していないせいか、全くできなかった。やはり、まだ完全に回復してないことを実感した)

それをもとに他の先生が、意見書をかいてくださることになった。

そして、大学病院精神科医師に紹介状を書かれた女性医師も、紹介状の内容が間違っていると手紙を書いてくださることなった。

また、別の精神科の先生も、大学病院精神科医師の診断書について相談に伺うと、「あなたが性被害後から大変だったことをわかってますので、協力できることはしますよ」と言ってくださった。

それが昨年12月初めのことであった。



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私の裁判では、裁判に協力的な医師と、全く逆の医師に分かれました。

私が感じたのは、協力的な医師は、初診時から患者を受け入れ理解し、誠実に丁寧に患者の立場にたって診療してくださる先生方でした。

医師だからといっておごりの気持ちはなく、患者と同じ目線で話しを理解しながら聞いてくださいました。

そういう先生方は、誰の為に診療を行い、医師として患者になにをしなければならないかわかって診療されているので、カルテも患者の為になにを記載しておかなければならないか明確にされておりました。

ですので、裁判でこちらの証拠として提出したカルテも、そのような先生方が記載されたカルテについては相手の弁護士から追求されることはありませんでした。

逆に、患者の為に診療を行ってない本質がみえない医師は、診療も診断もカルテの記載も全て自分を守る為に行っておりました。

そういう医師が自分を守る為に記載したカルテや診断書は、相手の弁護士が追求するカルテや診断書になり、こちらも不実である以上、その医師を追求しなければならないものになりました。

結局、自分を守り患者を考えない医師は、患者から当然追求され、また相手の弁護士から追求されることを避けるため診断を変えることもできない状態になり、誤った診断書だけを患者に残し説明責任もはたさないまま、診療を打ち切りました。


そのような医師をカバーし、正しい方向に向かわせてくださるのは、また、患者のために診療を行われた医師達でした。

これから私のような立場になられた方がいましたら、患者の立場に立たない医師ではなく、患者の立場に立った医師を選ばれ、患者の立場に立たない自分を守る医師からは診断書をもらわないほうがよいと感じました。


他の医師に、大学病院精神科の医師のことを相談したとき「裁判ということでこわがってるのか」「覚悟がないんでしょう」「裁判に関わりたくないのでしょうね」と話されてました。

大学病院精神科医師は私のことを「症例」とカルテに記載しておりました。

そしてその医師は「僕は症状を治すので」と言っていましたが、私はそれを聞き、「症状を治すのはあなたではなく私であって、私を症例や症状としかみていないあなたが治せるはずない」という思いでした。


患者の立場にたった診療をされた先生方は、「(私のような性被害からPTSDになった場合)患者自身が元気になっていくのを一緒にまっている、薬は対処療法でしかない」というようにおっしゃってました。