　コロナコロナでそろそろ勤めている学校も危うい感じです。対処にてんてこまいになりそうです。

　さて前回の続き！　前回では納得のいかなかった部分が、今回で「あーなるほどね」と思った点もありました。今回もネタバレ注意！　原作との相違点については①～と記載します。

　冒頭では、SWATらと突入してくる前の刑事パートから始まりました。

　①警察車両の中で風呂光が独自調査で得た情報をもとに、青砥や池本に久能の足取りを語ります。池本は「バスジャック犯はなんで被害者の杏珠の家に行くんだ？」と問い、風呂光は「バスジャック犯は犬堂杏珠と関わりのある人物なんだと思う。」と語ります。

　その後は前回の話の回想が入りつつ、引き続きバス運転手の煙草森がグルだった話から始まります。②「すみません！　あんな若い女性が生き埋めにされるなんてかわいそうで・・・」と語って、乗客たちに謝りました。

　SWATが突入する前に、奈良崎という定年退職の頑固おじさんの罪についての話が語られます。「部下に自殺されたことがある。遺族に厳しくされたせいだと言われた。定年退職したら妻と子供も出て行った。男は言われないと分からん！　察しろなんてできない！」というも、整に「仕事ではそういうの必要ないんですか。」と言い返され、「当たり前だろう！　顧客のニーズを聞き、先取りし、上司の機嫌を窺って昇進した。」と答えたのを聞き、「ならそのスキルあるんじゃないですか。」と言われたことで目覚め、「部下の墓参りと、妻の実家に行かなければな。」と呟きます。

　それから、煙草森にも同様の質問がされ、「小さい頃に金魚を触っていたら死んでしまった。親が厳しいのでバレたらまずいと思い、隠したことがある。」と語ります。

　そうしてＳＷＡＴらが突入。整が「この中に連続殺人犯がいます。」と宣言します。

　③そして、整は「ドラマでは犯人に刑事が背を向けて語るシーンが見られる。それは危ないことなのに。なのに犯人に対してそうした人がいた。ガロさん、あの絵はあなたが描いたと言ったけれど、あれは左利きの人間が描いたものです。左上がりになるんです。習った人は克服するんですけど、下手の横好きレベルです。ガロさんが描いたものではない。そしてガロさんに背を向けた人がいた。翔くん、あなたですよね。」と語り、翔が「下手の横好きレベルで悪かったね。俺が首謀者のガロだよ。そっちは従兄弟のオトヤとハヤ。」と語ります。

　ガロはバスジャックの一連の流れの中で、犬堂の名を聞いたり、生死に関する話をしたりした際にどういう反応を見るか観察して、妹を殺した犯人を探っていたと語ります。

　すると、淡路に「杏珠の写真を見て顔色を変えたから君が殺したの？」と問いかけます。淡路は動転しながら、杏珠の財布を盗んだことを告白します。バスを降りようとした際に寝ていたから、カバンから盗んだ。と語り、ハヤから「盗む癖があるからすぐバイトを首になる。」と言われます。

　柏も降りようとしたら具合が悪そうに服を掴まれたけど、自分のことで精いっぱいで無視してしまった。リラも気にはしていた。奈良崎も探偵に写真を見せられたけど知らなかった。

　ハヤが「誰かがまたウソをついている。」というも、整は「ウソなんてついてませんよ。」と語ります。そして、煙草森に「さっき床に落ちた食べ物拾ってましたよね。僕はそれをゴミ箱に捨てると思った。でもあなたはカーペットの下に押し込んで隠した。」「はい。見えないように。」「それだけじゃない。何度もしていました。子供はよく嫌なものを隠してしまって見えない様にする。煙草森さん。あなたは人を殺したんじゃなくて、ただ隠しただけなんですよね？」と問います。

　④煙草森は「はい。そうなんです。」と素直に言います。「あの日はいつもバスの中をチェックしてから車庫に戻るんですが、急ブレーキを踏んだら杏珠が倒れて気絶していて。衝立で見えなくて。だから草むらにいったん放置して、土を掘って埋めました。ですが、なぜか生き返ったんですよ。」そして、慌てながら上から押し付けたと回想します。「しばらくして思い出して、最後に押さえつけた時のあの身体の震えが気持ちよくて、それでまたやろうと思いました。」と高揚とした声で語ります。終点でお客様が一人だった時に薬で眠らせて、後は同じです。と堂々と語ります。

　全てわかった際に、犬堂たちに同情したリラが「私達バスジャックじゃないんです、バスハイクでここに来たんです！」と言い出し、柏も「そうなんです！」と言い出します。

　整は「ガロくん。君は人質の中に混じってみんなを観察してたんだね。そして、犯人から犯人じゃない人を守ろうとしたんだね。」と語ります。ガロは「なんで運転手のことを疑わなかったんだろう。」「制服の人は盲点になりやすいんです。」と語り合い、「杏珠さんのことを愛していたんですね。」と言いますが、「傍若無人だった。でも愛していた。」と杏珠について語りました。そして、整に対して「君は人のクセを真似る癖があるね。それは子供が気を引きたいときにやる仕草なんだけど、小さい整くんは誰の気が引きたかったんだろうね。」と忠告し、去ろうとするときに「家に遊びに来てよ。ねえ、ガロってどんな字？」と尋ね、「我が路」と答えて去られます。

　そしてある日、いつものようにカレーを作ろうとしていた整のもとに宅配便が届きます。我路からのもので、カニかな～と喜んでいる整は中身を見て驚愕。人の右腕に、我路の身に付けていた時計とエンジェライト（許しを請う意味を持つ石）のブレスレットが付けられていました。

　青砥に呼び出された整は「あれは我路のものではない。起訴された煙草森だったが、精神鑑定に持ちこまれそうになった。そこで警察車両から煙草森をさらった。そして従兄弟ともども行方不明だ。」と教えられます。

　⑤その後はストレートアイロンを使ってストパーに挑戦するも、「ストレートになったからといってイケメンになるわけではない」と悟る整のシーン。それから風呂光が青砥に「初手柄はどうだ」と問われ、「犯人を捕まえたらスッキリするかと思ったら、なんか違いました。それに怖くなりました。」と語り合います。

　犬堂一派は船を所持しており、そこでハヤと我路が整について「心残りがある。不起訴になったら整の家に遊びに行くって。」「そんなに気に入ったんだな。」「俺たち似てる気がするんだ。」「また会いたいな。」と語り合う中、我路のおばさんが「杏珠の部屋を片付けていたらヘンな手紙を見つけた。」と報告があり、「犬堂杏珠さんのご遺族の方へ。香川県の漂流郵便局を知っていますか。そこで杏珠さんが書いた手紙を見つけました。行ってみてはいかがでしょうか。」と匿名の手紙に書いてありました。

　我路は「普段はタクシーを使うのに、なんでバスに乗ったのか。まだ不可解な点が多い。」と考え、漂流郵便局へ行くことに。

　郵便局では、気が強く、女王様のようだったという杏珠の性格の面影が無い文面で「もうすぐ死ぬ私へ。ずっと不自由だった。思うように生きられなかった。わがままを言っても可愛がられた。そんなのうそだ。いきなり自立しようと思っても無理だ。ただの女でいたかった。言われるとおりだ。私はダメな女だ。ゆっくり死んでいく。もしできなかったらジュートに頼もう。」と、綴られていました。

　この手紙を読み、我路はジュートを探すことを決めました。

　そして、最後には大阪行きの印象派展に向かうチケットを手にした整と、我路がまた整と出会うことを示唆する話で終わりました。

　①このシーンは全部原作ではでません。警察が突入するのも、前回に述べたように、整が電話を掛けたことで分かったので。

　②この事件の話をしたのはリラと言う自称ジャーナリストで本当は町工場の社員の嘘つき女。煙草森は一切この話については触れていませんでしたし、リラが言う前に発言していました。これが煙草森の失言で、最初の方から煙草森は整やガロに「生き埋めにしていたことを知っていたなんて、まだ報道にも出ていないことなのにおかしい。」と犯人だと疑惑を持たれていたのでした。

　③オトヤとガロの兄弟の名前を聞いて違和感を覚えたと整が語るシーンが原作ではありました。本当はオトヤとハヤは弓道に関係する言葉なのに、オトヤとガロの組み合わせはおかしいと思っていたと語る場面がありました。

　④本当は飲酒の癖もあり、この日も仕事終わりに車庫に向かう間に一杯やらかしていたのもあり、それもあって会社にバレるのはまずいと思ったと飲酒運転も語るシーンがありました。

　⑤ストレートに挑戦するのも原作ではもうちょっと先の話です。また、漂流郵便局等の話もまだ先に語られるはずの内容になっています。色々と原作の話をカットしていくことが窺われます。次回予告を観る限り、次は我路に「印象派展は次は広島でやるらしいよ。」と誘導され、その先で事件に巻き込まれるという話もありますが、そこが飛ばされる様子です。

　私も左利きですが、左上がりになって右利きの人が見たら違和感のある絵になる、という説は「へー。」と思いました。右斜め上に向かって描かれた橋の絵がピックアップされていたんですが、個人的には私は右下から左上に向かって描く方が描きやすいかなーと思いました。

　原作ではもう一人、乗客にニートで祖父の介護をして老人介護施設に入っているため、介護しに行っているという青年がいるのですが、その人も整に「人生相談みたいな雰囲気だから聞きたいんだけど」と前置きして、祖父が徘徊しまくって施設の人にも迷惑かけちゃって困ってるという話をし、整が「施設全体が村のようになっていて、職員も村人の一員で、誰かがふらふらしてたら病室に連れ帰ってくれるという箱庭のような施設があると聞いたことがある。箱庭でもいいから、自由に徘徊させてあげて欲しい。そういう環境が作れたらいいなと思う。」ということを語る場面がありました。

　とまあ、前回は「奈良崎の話、まだ聞いてねーじゃん！」と思ったのにＳＷＡＴ突入してきたから、なんでやねんと思っていましたが、時系列が前後していたのだと判明してすっきりしました。

　あと、次の原作の話もおもしろいんですけど、まあ長丁場になりそうだし舞台を作るのが大変そうだし、刑事たちが出てこない話なのでドラマだとカット対象になっても仕方ないかなーと思いました。

　今回ドラマでは、あからさまに煙草森が物を隠しているシーンが出されていないのに、整の推理パートで暴露されていたので、煙草森がそういう異常行動に出ているシーンを垣間見せて欲しかったなーと思いました。原作では食べ物をカーペット裏に隠したりってのはなくても、飾り物の凶器を見て、「見ていたら冷や冷やするから」とカーペットの下に押し込む場面があるんですよね。そこも煙草森が犯人だという大きな伏線になるのにぃと思いました。

　でも、煙草森の役者さんが「隠しただけです。心地よくてまたやりました。」と高揚しながらぺらぺら語るところは、ザ・サイコパスって感じが出ていて良かったですね。原作だと、終始穏和な感じで淡々と語られていたので。声や表情の動きがあるとないとでは違うなあと思いました。

「ミステリと言う勿れ」（ドラマ３話）～伏線もっと分かりやすくして！～