(前回は>>>こちら。)


妻から母親の話を聞くと、悪口を言われている

ような気がして、つい腹を立ててしまう。

だから、妻とはそんな話をするのを避けている。



今までもそうだった。



結婚して数年は、母親への不満を話していた妻も、

私が露骨に嫌うので、いつの頃からか、

あまり話さなくなった。

たまには愚痴のひとつもこぼしたいだろうに…。

申し訳ないという思いと感謝の思いが

交錯しているのが正直な気持ちだ。





でも、今回は誤解を解くことが息子として、

そして夫として、私がすべきことである。

それが私の務めなのだ。



母親の衰えた姿を妻に伝えることによって、

妻の誤解を解くのである。

そして、今度は母親に聞こえるような声で

「おやすみ」と言ってもらえるように…。



子供たちが休んでから、2人でTVを見ながら

私は意を決して話してみた。



「最近、おばあちゃん、耳が遠くなった

みたいだな。洗い物しとるとき、

声かけても返事せんもんなあ。」





その言葉を聞いた妻は、知っているかのような、

知らなかったかのような、どちらにも取れるような

微妙な感じで、「そう」とだけ答えた。



私は緊張しながら、次の妻の言葉を待った。

しかし、妻とは目が合わせられずTVのほうを見ていた。

妻は言った。



「流しの水を流しながらは、聞こえん聞こえん。

私でも聞こえんよ。」



そして、続けて「この前は子供に「その話、前に聞いた」って、

言われとんなったわあ。」




(うっ、これは第2パターンの”老化話”だ…)


「ほんとかあ…」。そういうだけで精一杯だった。


次にどんな話でたたみ込んでくるのか、

不安になった。これ以上、母親の老化話を

聞きたくないのが、私の正直な気持ちだった。





それから…。

その後…。






それ以上、妻は話さなかった。




私は気づかれない程度に顔を動かして

黒目をめいっぱい、左にずらして妻の顔を見てみた。







妻は。

…TVドラマに釘付けだった。

よく言う「今、いいところ」だった。





私がその手の話が嫌いだから止めたのか、

TVに夢中で、話どころではなかったのか、

定かではないが、いちおう誤解は解けたと思う、







たぶん。




(おわり。)






これって、かなりへっぽこ…(笑)

   ↓↓↓           ↓↓↓
正しいケアマネの歩き方  ~ケアマネタマゴが贈るケアマネ道!~-ブログランキング にほんブログ村 介護ブログ ケアマネージャーへ
━─━─━─━─━─━─━─━─━─━─


問題のレポート、

『誰も語らなかったケアマネジメントの”根っこ”補強版』

詳細は>>>こちら。