気づいたのは半年前ぐらいだっただろうか。
母親の異変を感じている。
少し、耳が遠くなっている。
私たちと同居する母親はこの秋で75歳。
要介護認定は受けていない。
しかし、老化は確実に進んでいる。
孫の話し言葉が聞き取れず、
聞き間違えたり、流し台の水を出している時に
話しかけても、水の音にかき消されて
返事が返ってこない。
昨日はこんなことがあった。
遅く帰った私は、1人で食事をする。
流しで母親がお皿を洗っている。
妻が風呂から上がって、私に話しかけ、
寝室のある2階に上がるとき、
「おやすみ…」と、やや小さな声をかける。
そのあいさつは、1階で寝る母親に対しての
あいさつなのだが、小さな声に違和感を持った。
たぶん(無視されるだろうから…)という
気持ちで発する声の大きさではないだろうか。
たぶん、今日まで何度かそういうことがあったのだ。
「おやすみ。」と言っても、母親からは
何も返事がなかったことが。
おそらく妻は、母親の耳が遠くなったことが
分かっていない。
それで(無視されている…)と思っているのだ。
母親は母親で、流しの水の音に
嫁の「おやすみ」の声が聞こえず、
(お休みも言わないで2階へ上がっていったわ)
と思っているかも知れない。
誤解、すれ違い、だ…。
そういう場面を知ってしまった私は、
誤解、すれ違いを解消せねばならない。
どちらに、何と言うか。
それとも何も言わないか。
息子の、そして夫の力が試される。
(続く。)
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『誰も語らなかったケアマネジメントの”根っこ”補強版』