(前回はこちら 。)


さかのぼること10年前。31歳の時に私は1回目の転職をしました。

転職先は知的障害者授産施設というところ。一般就労先がない知的障害のある仲間たちが作業を通してお金を稼ぐ施設です。


多くの障害者施設では工場の下請けをしたり、手芸品やクッキーなどの食べ物を作って地域で販売するなど…。いろんな努力をしています。ただ、一般企業のように、自立できるほどの収益を出せる仕事をしているところは、あまりないのが現状です。




さて、うちの施設では、どんな作業を行おうとしていたのか…



こんなプロジェクトが考えられていました。





現代人は癒しを求めており、その中でも“香り”が注目されています。入浴剤や、部屋でオイルを焚いたりして、“香り”のある生活が定着しています。


中でも需要の大きいのがハーブ。商品を作る企業がどうやって“ハーブの香り”を手に入れるかというと、外国産の天然ハーブを輸入したり、化学的に合成したものを使用したりしていました。


そのハーブをこの施設で生産できないか、ということでした。


国産のものなら安全なイメージもあり、外国から輸入するのに比べると輸送料もかかりません。また、合成した香りよりも天然の香りのほうが、より商品のイメージが良いでしょう。




さて、私たちの本分は障害のある仲間の仕事を作る仕事です。ハーブ栽培を通して仲間たちの仕事を作り、収穫したものが商品になる。それが店頭に並べば、仲間たちの仕事のハリになっていきます。商品開発はプロのデザイナーが、商品の販路はコンビニがバックアップしてくれることになっていました。


「障害があっても“守られる”という存在ではなく、労働を通して社会に役に立つことで、その人が生きがいを感じ、やがて自立した生活を送ることができる」ということです。


また、その地域は米の生産が県内随一の米どころでした。しかし、国の減反政策により、たくさんの休耕田がありました。その休耕田を借りてハーブの畑にしたい。そして、軌道に乗れば農家の方々にもハーブを作っていただいて、この地域をハーブの町にしよう。そうすれば、町の活性化にもつながっていく…。




現代人が求めている“癒し”。それが「障害者の自立」や「地域おこし」につながる…。





「私もこんな素晴らしい仕事の一役を担いたい」。そんな気持ちで、私は新しい職場への期待も持って転職したのですが…。





続く 。)




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