多くの新郎・新婦さんと関わると、
当たり前ですが皆さん色んな環境で
人生を歩んでいます。
「親御さんが健在なのは当たり前ではない」
ということを
色んな事情に接するたびに実感しています。
事情があってお別れしている方もいれば、
この世を去っている方もいます。
先日司会を担当した新郎さん。
ご両親ともに東日本大震災で
他界されています。
時間が経っているとはいえ、
打合せの時も明るく普通に
その時のことを話してくれました。
迎えた披露宴当日。
新郎さんの親族のテーブルには、
ご両親の遺影が置かれていました。
私、その時直感で、
「ご両親はここにいる」って
思えたんですよね。
新郎さんが中学生の時に
突然訪れたご両親との別れ。
一番この場にいたかったのは、
「ほかならぬご両親なのでは」
と、思った瞬間、
私も涙が溢れてしまいました。
披露宴中は打合せの時同様に、
明るくゲストと披露宴を
楽しんでいた新郎さん。
謝辞では想いが溢れました。
一番今日この場にいてもらいたかった
両親の列席が叶わなかったこと。
そんな両親が残してくれた、
「愛と縁」で自分は生かされていること。
涙で言葉に詰まりながらも、
それらを懸命に言語化してくれました。
本気の言葉が伝わる瞬間に
立ち会わせてもらえて、
感無量でした。
こういう場に立ち会わせてもらうと、
結婚式って特別な空間なんだと
再認識させてもらえます。
「謝辞用に原稿を用意しようと
思ったんですが、
プランナーさんに止められまして。
『当日感じたことを素直に話してみたら
どうですか?』
って言ってもらえてよかったです。
自分でもこんなに感情が溢れるとは
思っていなかったけど、
今日感じた想いが驚くくらい
すらすら言葉にできて驚きました」
謝辞であらためて感じた想いを
言語化したことで、
これからの人生を歩むうえで
大きなターニングポイントに
なったとも話してくれました。
両親が新郎さんに残してくれた
「愛と縁」
それを随所に感じる素晴らしい
時間でした。
まさに「司会者だからこそ見えること」
をまた一つ感じ得る披露宴。
結婚式の素晴らしさ、持っている力を
再確認させてもらった思いです。
本日も結びまでお読みいただき
ありがとうございます。


