今、そんな気持ちだ。
私は後生大事に取っておいた大事なものを手放した。
それは…北九州マラソンの参加記念タオルだ。7年以上も前のもので、使い倒して色もあせている。
これがどうしてもどうしても捨てられなかった。挑戦するたびに強制送還され、完走が見えてこない大会。たぶんどこかで諦めている自分がいる。今年も体調が良くなくて結局エントリーすら出来なかった。
毎日毎日いろんな出来事が私を取り囲む。朝、目が覚めてナゾの濁流に飲まれるような不安が襲ってくることも…それらに対抗するために、どこかに「揺るがない私」がいてくれたら。北九州マラソンを走る私の姿は、けっこうそんなアイコン的存在なのだった。
ああ、もう9月になった。それは、自分がエントリーすら出来なかった事実を完結してくれた。
今日もフラフラしながらだってイオンまでウォーキングできた。朝ごはん食べる元気だってあった。写真の中のびしょ濡れでマヌケなヤツ、今もここに、確かにいるんじゃないか!?
今日は寅の日。虎は玄関を守る毘沙門天様の眷属のため、今日は玄関掃除をすると運気アップですよ😊
大好きな開運動画でYou Tuberさんが教えてくれた。
元気出せよ、ワタシ。
どれ。
下駄箱から靴を全部出して掃除を始めた。下駄箱の棚の埃を払い、タタキの砂を外へ出す。
水拭きまでできると完璧ですね😊
動画の声が蘇る。
ようし。
2階に駆け上がり、私はお宝のタオルを手にした。水で絞ると大好きなイラストが歪んで巻き込まれていった。
それ!
広げてたたみ直したタオルでイッキにタタキを拭き取っていく。ナゾのシミ、いつ落ちたかわからない枯草。タイルの目地にも埃が入り込んで変色している。
こんなの、気づかなかったな。毎日見てるはずなのに。
宝物が黒く汚れた頃気づく。
このタタキってまるで私の心だな。
自分でつけてきた泥を落とさないまま、毎日毎日自分を踏みつけにして、つらいだ不安だ足りないだと。
ごめん。もっと大切にする。
誰に向かってなんだか、何に向かってなんだか、しみじみと申し訳ない気持ちが湧き上がってきた。
そして。
ありがとう。
また、ここから始めるから。
きっと。いつかはきっと。
ずぶ濡れのすっぴんで、情けない格好でヘタレがまた走り出す。
私は後生大事に取っておいた大事なものを手放した。
それは、なあんだ、と思われるような何でもないもの。だが、私は別にこれといってつらい思い出もないのに、幼稚園から大学までの卒業アルバムをすべて処分してしまっているほどモノに執着がない。その私がどうしてもそれを捨てられなかったのには、きっと深い意味がある。
それは…北九州マラソンの参加記念タオルだ。7年以上も前のもので、使い倒して色もあせている。
これがどうしてもどうしても捨てられなかった。挑戦するたびに強制送還され、完走が見えてこない大会。たぶんどこかで諦めている自分がいる。今年も体調が良くなくて結局エントリーすら出来なかった。
きっと、タオルを捨てれば「なかった事」にできる。挑戦なんかしてなかったのだと。マラソンなんかそもそもそれほどキョーミがないのだと。
…それが怖くて捨てられなかった。私はきっと、走っている自分が好きなのだ。走る事をやめたくないのだ。それを証拠に、家のアルバムの北九州マラソン出場時の写真にはふせんがつけてある。もしもの時、遺影にしてほしいから。雨の中、ナイロンポンチョをかぶり、びしょびしょのまますっぴんで走る私。そう、これが本当の私なのだ。そんな自分を見失いたくない。
毎日毎日いろんな出来事が私を取り囲む。朝、目が覚めてナゾの濁流に飲まれるような不安が襲ってくることも…それらに対抗するために、どこかに「揺るがない私」がいてくれたら。北九州マラソンを走る私の姿は、けっこうそんなアイコン的存在なのだった。
ああ、もう9月になった。それは、自分がエントリーすら出来なかった事実を完結してくれた。
でも。もう自分のものであったことすら思い出せないTシャツを着て走っている写真の中の自分の姿も、ここに完結してるんじゃないだろうか。
今日もフラフラしながらだってイオンまでウォーキングできた。朝ごはん食べる元気だってあった。写真の中のびしょ濡れでマヌケなヤツ、今もここに、確かにいるんじゃないか!?
今日は寅の日。虎は玄関を守る毘沙門天様の眷属のため、今日は玄関掃除をすると運気アップですよ😊
大好きな開運動画でYou Tuberさんが教えてくれた。
元気出せよ、ワタシ。
どれ。
下駄箱から靴を全部出して掃除を始めた。下駄箱の棚の埃を払い、タタキの砂を外へ出す。
水拭きまでできると完璧ですね😊
動画の声が蘇る。
ようし。
2階に駆け上がり、私はお宝のタオルを手にした。水で絞ると大好きなイラストが歪んで巻き込まれていった。
それ!
広げてたたみ直したタオルでイッキにタタキを拭き取っていく。ナゾのシミ、いつ落ちたかわからない枯草。タイルの目地にも埃が入り込んで変色している。
こんなの、気づかなかったな。毎日見てるはずなのに。
宝物が黒く汚れた頃気づく。
このタタキってまるで私の心だな。
自分でつけてきた泥を落とさないまま、毎日毎日自分を踏みつけにして、つらいだ不安だ足りないだと。
ごめん。もっと大切にする。
誰に向かってなんだか、何に向かってなんだか、しみじみと申し訳ない気持ちが湧き上がってきた。
そして。
ありがとう。
がびんがびんに硬くなり、色褪せ、最後は我が家の厄で真っ黒になった宝物を握りしめた。
また、ここから始めるから。
きっと。いつかはきっと。
ずぶ濡れのすっぴんで、情けない格好でヘタレがまた走り出す。
私は、ここにいる。
そんなへっぴり腰のランナーを、一番応援しているのは、ワタシだ。
大切にしてやまなかったタオルをナイロン袋に入れて縛り、ゴミ箱に放り込んだ。
さあ、始めよう。