大家さんの左右対称の顔面や高級感あふれるスーツの生地、絶妙なチョイスのネクタイ、こだわりの…と見どころ沢山で、ハッとした時にはその答弁は終了してしまっていた。

で、さっき突然出てきたリスキリングって何⁉︎

リス+キリン+ライオンキング、とかけてそのココロは…北Qマラソン的には「いとうずの森公園(スタート直後の関門)までは走る」、の意か。

さらに自分でアタマの中のハテナを増やしてしまい、ポカンとしている間に「巷の怒りの声」特集みたいなものが流れた。「育休中に勉強する事の制度」であるところだけが伝わってしまい、子育てにがっぷり四つの皆さんから悲鳴が上がった印象だった。

育休中の方は比較的若く、初めての子育ての方も多いだろう。頑張ってきた職場を離れ、孤軍奮闘される方も少なくない。不安と焦りの中、懸命に、親である自分、配偶者である自分、社会の一員である自分を保っているに違いない。誰か助けてほしいのに、わかってほしいのに、勉強してもっと成長しなきゃダメだというの?という、これは心の叫びなのではないだろうか。この方たちは、政策に異議を唱えたいのではなくて、泣いているだけなのではないだろうか。

一方、国策だけを見ると、これまた悲鳴であると感じる。国民の数自体が減少する中、世界の情勢が激変し、これまた子育て同様、待ったなしなのだ。


最後の秘策は「国民総成長」、国民全員が技術と知識を身につけパワーアップして国力をつければ技術大国としてのポジションを堅牢なものにして生き残れる、という壮大な理想論なのではないだろうか。

それは素晴らしい案だけど無理がある。そのため、「勉強したい人には必ず門戸を開く。特に現役バリバリ世代のキャリアが中断することは何としても避けたい。だから全力でバックアップしたい」というのが本音だったのでは?

街頭インタビューの最後に出てきた若いお母さんに私は釘付けになった。穏やかで優しい印象の女性が、

育休中に資格を一つ取ろうと思ったんですが

と静かに語り始めたからだった。

なかなか子育てと両立が大変で

と大事そうにお子さんを抱き抱えながらその顔を覗き込んでいた。

いいお母さんだなあ

なぜかジーンとして涙が出そうになった。朝から晩まで、眠る暇もなく家事や育児をワンオペでこなしながら、お子さんが寝ている隙にテキストを開いてウトウトしてしまう健気な姿が目に浮かぶ。

政策がうたうのは、こういった状況を改善して、学びたい人が学びやすい環境を全力で作る!という事なのではないか。

可愛いお子さんの未来のため、自分のこれからのために、忙しいのを承知で覚悟を決め勉強を始めた若いお母さん。政策がどうあろうと、その思いは必ず良い明日を開くと信じている。

それどころじゃ!と嘆く皆さん。別の立場の人から見れば育休中の皆さんは、むしろ国から期待されて、これから応援され守られる、という事でもあると思う。色々求められる事は重いかもしれないけれど。どうか、泣かないで、いろんな人に、場所にサポートを求めてほしい。どんなにつらくても、その両腕は大切な未来をしっかりと抱きしめている事を、忘れないで。