おばあちゃんの家には、開かずのふすまがあった。二回の上がってすぐの部屋は、3畳しかなかったがいつもきちんと整えられ、家族親戚に加え客人のたえないその家の賑やかな大雑把さにそぐわなかった。

いつか、不思議に思いその部屋のはじのふすまを指しておばに問うた事があった。

ねえ、なぜあそこだけ閉めてあるの?

おばは驚いた顔で

見たいの?すごく怖〜いものがあるんだよ。

と答えた。びびりの私はすぐさまおばの後ろに隠れた。

いやだ!見ない!

ここでは絶対悪いことできないんだよ。悪い事をしたら、神様が飛び出てきておしおきをするんだからね!

と釘を刺され、私は半泣きでおばの手を引っ張った。

早く下に降りようよー。

いたずらっぽく笑い、優しいおばは私の手を引いて狭い階段を降りた。

後日、祖母とお留守番をしていた私は祖母の姿が見えないのに気づき、家中を探し回った。

おばあちゃん、どこ?

庭から戻った私は、祖母があの階段を上がっていくのを見た。なんだか声をかけづらい雰囲気だった。扉を開けて玄関に入っても、祖母は振り向きもしなかったのだ。

おばあちゃん…

私の消え入るような声をかき消すように、祖母の重い足音が響いた。そして、二階に着くと、例の小部屋の入り口のふすまを開けて入ると、ピシャっと閉めてしまった。

おばあちゃあん!

いつも優しく