国家財政が危ないとしきりに財務省やその影響が強い国会議員・学者・マスコミが煽り、増税や緊縮財政をしないといけないと声高に叫び続けています。
 
しかしながら過去の国家財政の歳入・歳出のグラフを見ていると妙なことに気がついたりするものです。
これはチャンネルくららさんのツイートから引用したグラフですが、リーマンショックがあった年あたりを注意してご覧ください。
イメージ 1
 
自民・麻生政権時代にかなり大規模な財政出動を行ったために、平成20年度から21年度にかけて歳出額が急上昇しています。15兆円というかなりの膨張ぶりです。戦後最大級の不況がやってきたのだから、これだけの財政出動をやるのは当然のことですが、問題はその後です。以来そのまま歳出100兆円規模のまま続いています。「東日本大震災もやってきたのだから」と思われるかも知れませんが、この予算規模が既成事実化してしまったとも捉えられます。
 
このサイトの「デフレと失われた20年 」で麻生政権と民主党政権時代の財務官僚の跋扈について批判しました。
 
 
15兆円近くも予算が水膨れしてしまった要因は上に書いたように、リーマンショック東日本大震災の影響がありますが、財務省をはじめとする官庁がこのパニックと民主党政権のゴタゴタに乗ずるかのように、あれもこれも予算を次から次へと盛ってしまったのです。
 
よく巷では財務省の役人は緊縮財政や歳出削減ばかりしたがると云われていますが、他の官庁を含めた役人の習性はもともと自省・自庁がふんだんに遣いまくれる予算がほしくてたまりません。実はリーマンショックのときや東日本大震災のときは役人たちにとって様々な事業や予算拡大の絶好のチャンスであり、お祭り状態となっているという人がいます。(原田泰先生も「震災復興~欺瞞の構図~」でそれを指摘)
 
10年に一度の大物(ワル):勝栄二郎財務次官の操り人形となった野田佳彦政権 」の文中で高橋洋一先生の週刊誌記事「財務省とのなれ合いで自民党政権時代よりも10兆円以上歳出が増えた民主党政権。大増税に導く2012年度予算はこんなにデタラメだ」を引用させていただきましたが、民主党政権が内輪の勢力争いをしているうちに予算編成を審議する時間を失ってしまい、予算枠もかけず組み換えをしないまま、麻生政権時代に膨らんでいた予算の上に子ども手当や高速道路無償化・農家個別補償を加えてしまったことが大きいです。野田政権だった2012年度予算は一般会計と別に震災復興特会3.8兆円、年金交付国債2.6兆円までつけてしまっており、マスコミも「粉飾だ」と騒ぎ立てるほどの水膨れぶりでした。年間20兆円・10年で200兆円という国土強靭化計画が浮上したのも民主党政権末期のときです。
 
こうしてみてみると実は歳出をゆるゆるにしたくてたまらないという役人の本性がくっきり浮かび上がってきます。
増税しなければ国家財政が危ない」という財務官僚の煽りも、結局は自分たちが自由に遣いまくる財源がほしくて言っているにすぎないわけです。
 
山崎元氏によれば財務官僚に洗脳された菅直人は「増税しても、そのお金を正しく使えば、景気は良くなり、失業が減る」というという趣旨の発言を頻繁にしていたようです。国が国民から金を巻き上げて、お上がどんどん遣いくれば景気がよくなるという思い上がった社会主義的発想でしょう。
(菅政権のブレインであった小野善康元阪大教授や藤井聡氏・三橋貴明氏などもそうした発言をする)
 
国民には表向き「国家財政が危ない」と言いつつ、増税社会保障をはじめとする予算の削減を進め、もう片方であれこれ理由をくっつけて公共事業を拡大し予算をつけまくろうとするという矛盾した動きがあります。そうした動きの裏では当然のことながら天下りなど役人の利権拡大も進んでいると思っておいていいでしょう。レントシカーです。
 
それとリフレーション政策の説明で日銀が市中の国債を買いとってしまう財政ファイナンスという手法があることをお話しました。「量的緩和政策による財政ファイナンスと大型財政出動
この方法を使わず国債を次々と発行して財政を膨張させるようなことをすれば、その利払いが増え、国民の租税負担が増えてしまいます。つまり国の借金をどんどん増やすということは、その主要債権者である銀行に利息というかたちで国民の血税がどんどん流れていくことになるのです。穿った見方をすれば銀行の私服を肥やすために国の借金を増やしているともいえます。これもまたレントシーキングでしょう。
 
ほんとうにシロアリみたいな連中です。
 

「お金の生み方と配り方を変えれば 暮らしが変わります」

 
 
サイト管理人 凡人オヤマダ ツイッター https://twitter.com/aindanet
 
イメージ 1