いけばなを習っていて思うことは、与えられた花材を見たときに、どれだけ自分が作りたい世界観をイメージできるかが重要だということ。
教場について、その日の稽古で使う花を見るときは、いつも不思議な緊張感がある。花材が思いもよらない組み合わせだったりすることもある。
今回の花材は、包まれている新聞紙を開けた瞬間、ああこれはベトナムっぽいな! と感じた。ベトナム航空のロゴである、ロータスが頭に浮かんだ。
石化エニシダをはじめとする全体的なグリーンの色も、フレッシュというよりは、ちょっと大人っぽい“くすみ系”だ。
そういうわけで、同国の世界自然遺産「ハ・ロン湾」(1994年登録)をイメージして活けた。この自然遺産は、ベトナム随一の景勝地で、奇岩・奇形の島が1600ほど散らばっている。
ハ・ロン湾の水の色を表現するために、落ち着いたブルー系の器を選んだのだが、これもまたベトナム航空の機体の色に似てるんじゃない? と後々になってから気がついた。
同じ青でも、イタリアのナポリの海のような鮮やかな青もあれば、タイのピピ島のようなエメラルドグリーンみたいな青もある。色って本当に奥深い。
同湾に点在する島々は、「魔法使い」とか「幽霊」「カメ」などといった名前が付けられた奇妙な形のものもある。
それら島々を、石化エニシダで表現できないものかな~と思ったのだった。
