全編、とにかく「ハングリー」な世界で、人間臭いドラマが展開します。R15指定ってのは、勿論、リアルなボクシング描写のコトもあんでしょうが、あちこちにベッドシーン・・・ってゆーか「性描写」が散りばめられていて、それでもあと1月半で15歳となるブーちゃんと高3の長男も一緒に見られました。まぁ、確かにエッチってゆーか、マニアックってゆーか・・・でも昭和の映画っぽくて、ワタシなんか全然気にならなかったし、ストーリーの展開上違和感も全く感じられなかったです。

 宮木(勝地涼さん)の父親役を風間杜夫さん、末永の父親を柄本明さんが演じてらっしゃっていて、ここの親子関係もさながら、末永(森本未來さん)自身の子供との関係にも何だか共感を覚えるし、何と言ったらいいのか、とにかくただのボクシングドラマぢゃないのです。

 それでも、テーマは「ハングリー・スピリット」かなぁ。人生に幻滅し乾き切ったどん底の日常にあっても微かな希望を信じてもがきながら生きていく登場人物たち。とにかく、胸の奥底がジーンと熱くなるストーリーで、まだ前編しか観てないんだけど、クライマックスまでには観客と同化して、宮木を応援してる自分がいるんですよ。

 盛り上がっていく試合会場の雰囲気に嬉しそうな表情をする大村(北村匠海さん)の気持ちも何か伝わってくる。


 エキシビションで末永と対決する、お笑い芸人の宮木が練習しているボクシングジムの会長が竹原慎二さんなのも「わぁ!」ってなったんだけど、最初パンした時に「あ!ロバート山本さんぢゃん!」って大騒ぎしたのは家族でワタシだけw


 だって宮木のキャラ設定がロバート山本さんに似てて、山本さんが出演してるってコトを知らなかったから余計に興奮しちゃったという(爆

 宮木登場の段階で「コレってロバートがモデルじゃないの?」なんて言ってたくらいだから、本当に「まさか」って思いました。

 それにしても、勝地涼さんって言えば、NHKの「あまちゃん」での"前髪クネ男"のイメージが強烈過ぎて、普通の役だとやや残念感が否めないんだけど、いやぁ、今回はバッチリハマってましたよー。こうでなきゃ。

 ・・・って思うのもつかの間、後半のシリアスな場面ではメチャクチャかっこいいんだよな。もう涙が止まらないし、ロバート山本さんも「いいもん見せてもらったよー」なんて台詞を本気で泣きながら言ってんぢゃないかって思うほど白熱していきます。

 一方、映画の題名になっている"アンダードッグ"の意味である噛ませ犬に甘んじている末永は、何の準備もせず相手をなめきった態度で試合に臨み、必死で向かってくる宮木に翻弄されていきます。映画の中でも、画面のこちら側でも宮木コールが次第におおきくなっていく中、名実共に噛ませ犬に成り下がった末永に果たしてスイッチが入るのか・・・。後編もじっくりと楽しみたいと思います。

 それに、末永と大村(北村匠海さん)の接点が未だ不明の状態なんで、ソコの解明も楽しみ。

 

 

 余談ですが、大村を応援する施設の子供たちの1人としてブーちゃんがチラリと出てますので探してみてください♡