立川志らくさんがMCを務めるTBSの情報番組「グッとラック!」を見てて朝からゲンナリ・・・。 

注目の男性がインタビューに答えている内容にも確かに正当性はあるんだけど,「優先順位」が違ってる様な気がすんのはワタシも志らく氏と同じで,この場合「1番大切なコトは何か」という部分で価値観の衝突があるのに違いありません。

 

だってたくさんの乗客がいらっしゃるんですよ・・・貴重な人生の2時間以上も時間を失うなんて・・・。

 

この方が奪った2時間を乗客の人数分足したら・・・マスク1枚のことで・・・と思います。

 

きっと目的地で予定があった人もいらしたでしょうし,精神的に楽しい旅行が台無しになった方もいらっしゃるでしょう。大切な商談や入社試験,時期的に大学などの入試,友人の結婚式,あるいはお葬式・・・諸々のことを想像すると,果たして自分の「マスクをしたくない」という気持ちは最優先すべき事情なのでしょうか。コロナ騒動の最中でマスクをしていない人がいれば不安を感じる人もいらっしゃるでしょうし,ではそういった方々の気持ちを度外視して主張すべき事なのか・・・ワタシは疑問ですよ。

 

番組内でも厚切りジェイソンさんを初めとするコメンテーターの皆さんが討論してらっしゃいましたが,賛否両論別れるのは当然・・・というのも,先日「正社員消滅」という本の感想の中でも私見を述べてます通り,農耕民族vs狩猟民族の対立の構図が成り立ってるんですもの。

 

言い換えたら,「公共の福祉」vs「基本的人権」ってことなのでしょうかね。

 

コメンテーターの皆さんの中にも「周囲の迷惑を考慮して自己主張は後回しにすべき」という意見と「予め義務化してないんだから仕方ない」という意見がぶつかってましたね。

 

厚切りジェイソンさんは「ルール化による規制」を提案されていましたが,10年程前に知人のお子様(当時13歳)が「人の心が汚いからルールを増やして縛らなければならない。日本にこれだけルールが多いのは仕方ない」という諦めにも似た言葉を思い出してため息が出てしまったワタシなのです。

 

子供たちは大人のことを観察して,それを手本に自分の価値観を決定しながら成長していきます。今回事件の発端となった男性も,きっとそのように人格形成がされていったと考えるしかありません。

 

詰まる所,今回の事件は日本社会の急激な西欧化による(ひず)みの良い例ですね。

いろいろと置き換えて考えてみると恐ろしくなります。

 

例えば「仕事で夜遅いのだから,近所の迷惑を考えずに騒音を立てても,個人の自由」と考えるのなら,ワタシは午後1時~9時半の勤務時間で帰宅するのは11時過ぎ。ワタシは車庫に自動車を入れたり,風呂に入る為にボイラーを作動させたりすることさえ気を遣ってできる限り短時間で早めに済む様に心がけてます。それは,やはりご近所の皆さんの立場に自分を置いた場合「この時間にうるさくて迷惑だろうな」という気遣いが最優先されるからなのです。それを「仕事から帰ってきたばかりで疲れてるし,先ずは一休みしてTVでも見ながらビールでも・・・」なんて自分の事情を最優先したら,車庫入れも風呂も後回しになってしまいます。それが基本的人権でしょうか。

 

まぁ,アメリカでは土地の広さから「ご近所への気遣い」という価値観は理解し難いことかもしれませんが,個人的テリトリーが制限される日本では最優先される価値観だったりしますよね。

 

嗚呼・・・煽り運転,ご近所トラブルなんかともリンクしてくる事案が多くなっています。これでまたどんどんルールで規制していくとなれば,人々の心が麻痺していくのではないでしょうか。西欧ではそうしたルールに辟易してデモなんかも多発している状況も発生しています。

 

日本も同じ道を歩んでいくのかな・・・。

 

「寒い時代だと思わんか」(機動戦士ガンダム 第4話より)