先日,以前別の事業所で一緒に働いたことがある先輩が会社のトイレで話しかけてきて驚いたことがありました。・・・というのは,その方というのが今の事業所で勤務時間が違う部署同士とはいえ,こちらから挨拶をしても完全な無視をされていたので,向こうから話しかけてくるなんて奇跡にも近い出来事なのです。
 
「何だよ,お前,M所長の派閥じゃなかったんだって?」
 
M所長というのは,ワタシが正規採用される直前に派遣社員として勤めていた事業所の所長で結構ワンマンで系列会社では敵が多かったことで有名な方なのです。
 
もう10年以上も昔の話ですが,ワタシは当時,正規採用を目指して必死で所長の命令に対しては常に“イエスマン”でしたから先輩の目には敵のように映ったのでしょう。
 
まぁ,今回の記事の本題はそこではなくて・・・先輩が続けた次の言葉です。
 
「いやぁ,てっきりM所長派の野郎とは口もききたくなかったし,アソコに左遷されてザマミロって思ってたのよ」
 
アソコってのはワタシの今の所属部署ですなw
 
左遷・・・ワタシは希望してるんですよ,ココを♡
どうやら希望して異動してくる物好きはいないトコなんでしょうね,ココはwww
 
所謂「夜間営業部」と呼ばれるココは勤務時間が13:00~21:30となっていて通常の8:25~16:55に比べれば確かに外れた時間帯の営業となっていますが,ほぼ残業も休日出勤もありませんので,ワタシの様な家族第一主義な生き方をしている人間にとっては恰好の職場なのです。
 
確かに平日の夕方は滅多に妻や子供たちと顔を合わせることはかないませんし出世に繋がる様な目立つ活躍の場もないのですが,この時間帯の営業を必要としている顧客も僅かでもいらっしゃって営業効率が極めて低いとはいえ必要とされる以上はやり甲斐もあるし,9時を過ぎれば週に数回は電話で10分ほど家族と話しをすることもできます。
 
この部署へ異動する前は・・・
 
本来の勤務時間は上記の通り8:25~16:55なのですが,実際には6:50~・・・早いときで19:00くらい,酷いときは翌日2:00とかで,平均勤務時間は毎日13,4時間くらいあったと思います。しかも残業手当は全くなし。数千円の手当が出る土曜は通常午前中の業務,年に数度は1日勤務。酷いときは土日連続の勤務もあって代休は取れません。それでも「やり甲斐」があるので文句も言わず働いておりましたが,世間一般のアルバイトの方が報酬がいいことに誘惑されることもありました。
 
でも,大切なことは,その仕事が好きかどうかだと思うんですよね。
結局それが一番大事。
 
だから続けられる。
 
ワタシの場合,ご周知かもしれませんが,劇団に所属する次男の関係で土曜と日曜の両方を自由にしたいというのがメインの理由でココへの異動を願い出たのがきっかけで勤務は7年目。
 
確かに通勤も片道1時間ほどかかって,ココへ異動する前の4倍以上の時間がかかるのですが,それでも定時で退勤できるので夜間の帰路もそれほど負担にはなっていません。
 
何よりも今の職場が大好きなのです。
勿論嫌なこともたくさんありますが,そんなのドコでも同じでしょ?
 
ですから冒頭の先輩の言葉の中の「ざまみろ」ってのは少しショックでした。
 
ちなみにワタシは色々な人たちから同様の言葉をかけられます。
例えば・・・「いつ戻れるの?」とか「そろそろ(昼間へ)上がれるんだろ」とか,時にはココの所長から「我慢しろよ,来年は上げてやるからな」なんて・・・
 
仕事の内容が評価されて嬉しい部分もあるんですが・・・
でもね,ワタシはいつでも同じ返事をするんです。
 
「自分で夜間を希望してるので大丈夫です」と。
 
巷では「働き方改革」だのなんだのと騒がれてますけど,何を優先順位の1番にもってくるかが大事なのであって,仕事環境を楽にすることばかりが主題になるべきではないと思います。
 
若い頃から何度も転職を繰り返した挙げ句辿り着いた答えかもしれません。
「ここよりもいい場所」って中々見つからないし,転職先で「前の方がよかった」なんて後悔することもしばしば・・・。
 
それはワタシが故郷やキャリアを捨てて千葉に越してきたときもそうでしたし,詰まるところは自分で設定している優先順位が保たれているのであれば幸福だと信じるしかないのです。
 
ライフスタイル,キャリア,子育て・・・優先順位は人それぞれ。
そして,それは年齢や環境と共に変化します。
 
全てを一辺に成り立たせることができるのは一部の優秀な人たちなんでしょう。
 
ワタシの様に能力が低い者には到底無理なことだと思っていますし,「覇気がない,頑張れば」と言われてしまうかもしれませんが,「そこまでムキにならなくても」と思ってしまうのです。
 
人生は勝ち負けじゃないと思います。
 
コレがワタシですから,分相応のワタシ自身。
背伸びはいたしませんよ。
 
だって必要ないから。