貴重な体験 | 後藤勝徳の「宇宙は私で満ちておる」

貴重な体験

今日、舞台前からずっと続く腰痛がうっとおしかったので、掛かり付けのペインクリニックに行きましたんですわ。

拙者が2年前のヘルニアの手術前によくやってたブロック注射(背骨付近から出てる神経に直接麻酔を注射するやつ)を久しぶりにぶっこんで貰ったんです。

そしたらですね、皆さん。今回は何故か麻酔が効きすぎまして(笑)本当に文字どおり一時的に下半身不随になったんですわ。

と言っても全くご心配無用で、薬の効果が薄まるまでの一時的なものですので、とゆーかそう言う事もあるだろうとは容易に想像できたので、特に取り乱しはしなかったんですが・・・

何せ腰から下に力が全っ然入らない。脚が付いてるのが殆ど分からない。あと、特に集中的に股間に全く感覚が無い(笑)←これは凄く不思議な感覚。

で、午前中の診察が終わってもなかなか立てないのでとりあえずベッドで安静にしてて、さらに看護婦さんたちがお昼休憩になるので、コマの付いた丸椅子に乗っけてもらって待合室に移送されて、途中待ち合いの椅子にガンっ!て脚が当たっても全然痛くなくて、ほんでしば~らく独りぽつねんと携帯いじりながら、感覚の復活を待ってました。

ちょっと感覚が戻って来たと思って、何回か立ってみたけど、一歩踏み出すと凄く危ない。
何てゆうか、人間って立つために物凄く繊細なバランス感覚で色んな場所の筋肉を使ってるんだなぁって言うのが、凄ぉくよく分かりました!

んで、先生とちょっとお喋りしたりしてて、一時間くらいかな~安静にしてたら、ヨチヨチ歩きくらいは出来る様になってきたので、あと空腹に堪えられなくなってきたので(笑)病院から外に出たんです。

まぁ~歩けないの何のって、皆さん。
何が言いたいかって言うとね、今回のこの経験で、お年寄りや身体に障害を持つ人の気持ちが、本当に劇的に分かったって事!それでも本人たちの100万分の一にも達しないくらいのものだとは思うけど。

そして、東京はそーゆう方々にとって凄く危なく不親切な場所だって事!俺たちが想像してるより遥かにね!

まず、俺は外見は健康的だから誰も分からないてのもあるかもしれないけど、

例えば電車内。
乗るのも一苦労なのに、電車がそこそこ混んでて、しかも揺れるから、つり革無しでは絶対立ってられない。座席も空いてないから、座れないし、勿論外見からは分からないから譲ってはくれないし(笑)

そして駅。
駅についたら着いたで、皆我先にと降りようとするから、後ろからグイグイプレッシャーかけてくるし!とりあえず必死で降りて、運良く階段が目の前にあったので、一目散に手すりへ!

やった、手すりをつかんだ!と思ってヨロヨロ降りてたら後ろからギリギリの所をすげー勢いで次々と俺を抜いていくし。
押されるんじゃないかと思ってハラハラするわけよ。
余所見してるオバハンは遠慮なくハンドバッグをガンって当ててくるし!酔っ払いでも見る様な目付きで、謝りもしねーし!

そんなほうほうの体で帰って来ました…帰って来るだけで疲れるんだね。あと階段は、結構降りる方がキツいてのもすごく良く分かった。

これからは、当たり前のつもりでやってた譲り合いや労り合いの気持ちに、もっと実感がこもる事になりそうです。

そして、都会の人は皆余裕が無くて他人の事に気を配れない(その事自体を責めるわけではないけど)から、せめて自分だけは身体の辛い人(弱者とは呼びたくない、失礼だよね。)にもっと気を配れる様になろうと思いました。

出来ることなら、東京にお住まいの全人類に一度経験して欲しいなって思う。
そんな貴重な体験でした!