「翻車魚」 いったいなんと読むでしょうか?
正解は「はんしゃぎょ」です。
うそです。「まんぼう」と読みます。
なんで!?と思って調べてみたら、「翻車魚」という表記は実は中国語からの借用でした。中国語にただ日本語の読みをあてただけなので、読めないのはあたりまえです。
『「翻車魚」という漢字の読みをひらがなで書きなさい』という問いは、『「翻車魚」を日本語に訳しなさい』という問いでもあります。
日本語の漢字の勉強をしているつもりが、実際は中国語の勉強をしているということが結構あります。

「まんぼう」は純粋な日本での呼び名です。「まんぼう」の語源には諸説ありますが 『満方』もしくは『円魚』が由来という説が有力です。 どちらも体が丸いというところから来ています。
これに対して、中国語の「翻車魚」は、水をくみ上げる機械つまり「水車」もしくは「ひっくり返った車輪」という意味に由来するようです。
詳しい説明は省きますが、少なくとも、日本語と中国語では語源が異なるのがお分かりいただけるかと思います。
ちなみに、台湾では日本語からの借用で「曼波魚(マンボーヒー)」と呼ぶそうです。これはただの当て字で発音も近いですから、日本人でもがんばれば読めなくはないですよね。
それにしても、どうして日本人はむりやり中国語をひっぱってきて読めない漢字をあてたりするのでしょうか。
日本語の学習をいたずらに困難にするだけですし、なによりこれは日本人のアイデンティティに関わる問題でもあります。
まじめな話になってすみません。
次回からはマンボウの奇妙な生態について書く予定です。