「私らしく生きよう」
「自分らしくいよう」
「あなたらしく生きていこう」
こんなメッセージは世の中にあふれています。
「自分らしさ」は
必ずどこかに存在しているものだと
私たちは教えられています。
これは、
高度経済成長という
「みんなが同じ」ように生きることが
正しいとされていた時代から
アイデンティティをもった
個人の時代に突入して
皆がそれぞれに、
『生きる意味』なるものを模索しだして
そこへ
メディア(テレビ、雑誌、書籍、情報発信etc)から
生きる意味を見出したいと思っている、
悩める私たちに発信されているものです。
そして、
そういう書籍や雑誌が売れ、
情報発信者のもとに人々は集うのです。
でも
「自分らしく」
って何でしょう?
自分の思いのままに行動することでしょうか?
自分の欲望をすべて叶えることでしょうか?
自分がストレスを感じずに生きることでしょうか?
何がどうなったら、自分らしいのでしょうか?
その答えは、実はどこにもありません。
その答えを言えるとしたら
それは、「誰かが定義したもの」ではないでしょうか?
結論を先にお伝えすると、
「自分らしい」「私らしい」「あなたらしい」
は、この世に存在していません。
先に上げたようなことが
「自分らしい」を定義するのであれば
この社会で生きていくのは難しいでしょう。
誰しもが自分の思うがまま、
欲望のままに生きていれば
社会は崩壊します。
自分以外の他者が存在し、
資本主義の仕組みのなかに生きている以上、
問題は消えることはありません。
「私らしく生きよう」
「自分らしくいよう」
「あなたらしく生きていこう」
これは
日々、何かしら悩みを抱えていたり、
悩みはあっても向き合えてないから
特に解決しなかったり、
やりきれない思いを胸に抱きながらも抑えていたり
そういう思いを持った私たちにとって
とてもとても
耳障りのいい言葉なのです。
今ある自分は本当の自分ではない
もっと「自分らしい」生き方がある
そう思うことで現実から目をそらすことができます。
しかし、
現実から目をそらして
本気で「現実を変えようと努力」する人はいいですが
どこかに「自分らしい自分」がいると妄想だけしてしまうと、
現実が変わらないので、
実は余計に苦しむことになります。
そして、
あなたらしく生きればいい!
本当の自分らしさを見つけましょう!
といった、情報商材を買うハメになる。
では、
「自分らしい」「私らしい」「あなたらしい」
は、ほんとうに存在しえないのでしょうか?
これは創り出すもの、です。
はじめっからあるもの
元々もっているもの、ではなく
創り出すものなのです。
どこかにある自分らしさを見つけるのでなく、
今から自分らしさを創る
という風に。