少額投資非課税制度（NISA）は株式や投資信託の売却益や配当金等にかかる税金が非課税となる制度である。普通なら利益を出しても20%は税金で持っていかれてしまうことを考えると、なんとも魅力的な制度に見える。NISAにはいくつか種類があるのだが、「NISA（一般NISA）」と「つみたてNISA」はどっちを選ぶのがいいのだろうか。
NISA
非課税投資枠：年間120万円
非課税期間：5年間
投資対象商品：株式、投資信託
つみたてNISA
非課税投資枠：年間40万円
非課税期間：20年間
投資対象商品：国が決めた要件を満たす投資信託
NISAやつみたてNISAのメリットは非課税期間内の利益について税金が一切かからないことである。非課税期間内での売却益についてはもちろん、配当金等でもらえるお金についても税金はかからない。また、購入していた商品に含み益があるまま非課税期間の終了をむかえたとしても、取得単価が非課税期間の終了時点での価格へと更新される。そのため、非課税期間の終了後もそのまま持ち続けていても非課税期間内の利益については税金がかからなくなる。
一方デメリットもある。損失については他の商品と一切損益通算ができない。普通に購入する株式や投資信託とは違い、NISAで損失を出したからといって他の利益と相殺することはできず税金を安くすることはできない。さらに悲しいことに、購入していた商品に含み損があるまま非課税期間の終了をむかえたときでも、取得単価が非課税期間の終了時点での価格へと更新されてしまう。そのため、非課税期間の終了後に再び価格が上昇して元の買値に戻った時点で売却したとしても、本来の利益はゼロであるにもかかわらず非課税期間の終了時点の価格との差分についてが利益とみなされ税金を納める必要がでてくる。NISAなのに税金がかからないという恩恵を受けることができず、逆に追加で余計に税金を払うことになってしまうのだ。これでは非課税制度じゃなくて増税制度じゃないか。
このデメリットを考えた場合、個人的には「つみたてNISA」を選ぶほうがいいと思っている。理由は非課税期間の違いで、投資商品は元本割れする可能性が必ずあり、運用期間が長ければ長いほどその可能性は低くなると言われている。5年と20年では、20年の方がマイナスになる可能性が低いだろうということである。年齢的な問題で20年間という長期間の運用は選びにくいという理由がなければ、「つみたてNISA」の方がよりNISAの恩恵を多く受けられると思っている。
このことに気づいたのはNISA口座の含み損が目についた2019年に入ってからで、含み損のまま非課税期間が終わってしまうとどうなるのかが気になったからだ。NISAでは個別株を購入していたため、損する得するの差が大きく出やすい。大きく非課税で儲ける（失敗するとより損をする）よりも、NISAの恩恵を多く受け取れるだろう「つみたてNISA」にしようと決めた。2019年はすでにNISAで購入していたため切り替わったのは2020年からだった。
ちなみにNISAの運用成績は、卒業していったものたちの隠れ含み益が+75万で確定、まだ期間内で残っているものたちの含み損が-16万なので、残っているのは不良債権ばかりだがトータルで考えると一応NISAの恩恵は受けられている。切り替えたつみたてNISAの含み益は+13万である。