ウェイ☆彡



避けに避け
気付かないフリをし続けて来た私にも……


───遂に審判の日が訪れた



歯が

痛い


痛すぎる




薄々は感じていたのだが

先週辺りから
とある歯が不穏な空気を漂わせ始めた


・ヤケに冷水がしみる
・堅いものを噛むとちょっと痛い
・じんじんしたと痛みで目が覚める



以上の様な過程を経て

私の口内では革命の炎が燻り始めていった




そして


先の日曜日

夕飯に作ったタルタルソースたっぷりの鮭フライを楽しんでいる際


違和感は確信に変わった

もう明確に
間違いなく限界は近い………


何とか革命軍の本拠地を避けながら食事は済ませた




そして翌日───



朝食の米粒が
私の不注意、油断から本拠地に着弾



猛烈な勢いでもって革命の炎は燃え盛った



大袈裟ではない

私はその瞬間


『歯が爆発した』


と、本気で錯覚した





激痛と戦いながらも
普段の倍の時間をかけて朝食を済ませた私は

迷わず近隣の歯科医を検索


革命軍の鎮圧に乗り出した




何としてでも
あらゆる手段を用いてでも




私の独裁政権を取り戻さなくてはならない───



……

…………祝…日……?



……成人……の………日…だと………?




何たる事か

私が革命軍に対して起死回生の
断固たる粛清の一撃を

まさに加えんとしたその日が

祝日だと!?



ふざけるな
私の精神はこの激痛に耐えられるほど強靭では無い

具体的に言うと……



糸こんにゃく



糸こんにゃくなんだ
私の精神は


束になったところで
更に捻ってみたところで

健全な歯の前には防御力を持たない


ちょいと辛子を塗られ哀れにも分断され細切れにされ粉々に咀嚼された後ビールで流し込まれる儚い人によっては見向きもされないが好きな人は好きなおでんダネの様な精神力なんだ



丸1日耐えろと?

この苦痛に丸1日耐えろと言うのか



それは無茶な話だ

無謀と言って良い



何とか
何とか方法を考え出さねば………!

















残業発生





───全ての望みは潰えた








その日の夕食は
高カロリー食品崇拝者私の食卓には有り得ない

雑炊をセレクト


それも米の形を残さない程煮込んでやった



これならば大丈夫だろうと

一口口に運んだ瞬間──





「っ熱痛っっっ!?」









手も足も出ない……
万策尽きた………



空腹に苛まれながら
大人しく就寝



明日になれば……
明日にさえなれば………







そして

本日


断固として
毅然とした態度で残業を断り



歯医者に向かった───

















1つだけ言っておこう





私は



───麻酔がとても効きにくいらしい






……どえらい目にあった……





そんな感じパー