【感想】小林紀子バレエ・シアター7/3「アシュトン/マクミラン・プログラム」 | 踊れないけどバレエ好き

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小林紀子バレエ・シアター第110回公演
「アシュトン/マクミラン・プログラム
」の3日目(最終日)、7月3日(日)3:00PM~
於:新国立劇場 中劇場
を鑑賞しました。

小林紀子バレエシアターの公演鑑賞は初でしたワーイ
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チケット購入のきっかけは、 “演目観たさ”と“島添亮子さんが素敵だと思うから”。

点来日中の英国ロイヤルバレエ団の「ロミオとジュリエット」の振付は、ケネス・マクミラン。ロメジュリは、流れるように音や感情を紡ぐようなステップと、プロコフィエフの音楽の視覚化に見事に成功し、ドラマチックで、解釈の奥行きも残し、素晴らしい作品です。そのマクミランの『ソリテイル』という作品をみることが出来るるん

それに、
点二羽の鳩』(Les Deux Pigeons)は、ルイ・メラント振付のものが古くパリ・オペラ座で初演され、改定が加えられてきたが、1961年ロイヤルバレエ用にアシュトンが全2幕の「The Two Pigeons」というバレエに改訂した。このアシュトン版の日本初演が小林紀子バレエシアター(1992年)だということを知り、俄然、観る気満々となった私わーい
スワン・マガジンのインタビューなどで、エルベ・モローが「学校時代には、二羽の鳩で…なんだかかんだか…・」などと語っているのですが、二羽の鳩を見たことがない私としましては、何言ってるのかさっぱりわからず・・・アセ。大好きなエルベの言っているこを理解できないなんて、なんだか喉元のつかえが取れない気もしつつ今日まで至っていましたので、どんな作品なのか、是非見たいおー

問題は、今年のバレエの饗宴の放映で「どうもなぁ~」と感じたカンパニーが踊るという点だったのですが、他に生でみる機会がめったにないので、チケット購入~買い

まず、客入りですが、1階席がおよそ7割ぐらい、2階席は中央最前列に10数名分ぐらい埋まっていました。
開演時間ギリギリに到着するバレエ団に縁のある方々(中央の前方席の方が多かったのでバレエ団からチケット買っている人だと推測)がたくさんいまして、開演予定時刻を6分過ぎるまで、席案内をつづける客席係り。この時点でもうとっくに座っている私は待たされんぼ。
ア~、もうッブー

さて、感想本篇です音譜
暗転し、ようやく幕開け
指揮者のポール・ストバートがゆっくり入場後、すぐさま指揮に突入指揮
演奏は、ややノリと艶感が不足気味だった東京ニューフィルハーモニック管弦楽団

まずは、
お星様ケネス・マクミランKenneth MacMillan振付の『ソリテイル』SOLITAIRE
音楽:マルコム・アーノルドMalcolm Arnold
美術:キム・ベアスフォードKim Beresfored
少女:高橋怜子
ポルカを踊る少女:廣田有紀
ソロボーイ1:上月佑馬
ソロボーイ2:小山憲 

少女が佇む後ろに長方形のスクリーン1枚、サイドの背景はぼやけたもので、なんだかはっきりしない様につくってある。設定は夢か心の中といったところだと感じました。少女の髪型がおさげ髪を左右の耳の上でお団子に束ねたような感じで、衣装は背景と同じようなぼやけたトーンのアンティーク調の可愛らしいもので、チュチュはボリューム有りで短めですが、そこから出た脚がちょっと太めなのはご愛嬌。床に座り、空想するようなポーズを取る愛らしい少女という設定なのでしょうが、高橋玲子さんは、悪くはないと思いますが、特段、現状で可愛らしいといったダンサーではないので、微妙な感じ漂いました。作品の質感から想像するに、10歳前後あるいはそれ以下の年齢の少女の設定だと思うので、それに合うキャストはいないものなのかなハテナ
少女のお友達(近所のお友達なのか夢の中の登場人物のお友達なのか、その程度のぼやけた設定で、誰かがストーリーに絡んでくることはない)が登場し、ポルカを踊ったり、ソロボーイの上月佑馬さんが、体操風のアクロバティックな踊りを展開したりしました。彼のバレエは素晴らしいキラキラ。基礎も綺麗だし、勢いも、演技も私は大満足ラブラブ。「テレビでバレエの饗宴を見た際に、一番&跳びぬけてバレエが素敵だと思ったダンサーはこの人だわ虹」すぐにそう気づきました。問題は、手脚が短く、背が低く、頭が大きいという点。これは大問題のはずなのですが、上月さんのバレエを観ていると、全然そんなことは忘れてしまい、とっても楽しく鑑賞できました。バレエ凄いなぁアップの一言。
色々、場面や踊りがあって、それぞれのパーツ構成からぎこちなさを感じたのは、マクミランの初期作品だからだろうと思ると、それはそれで面白かった。
期待のパ・ドゥ・ドゥの盛り上がりを含め、その他の部分は、あまり言及するのはやめておきますが、ポワントの内減りが激しい少女とポルカ・ガールでした。
結局、最後に少女は、一人ぼっちになってしまうという詩的なショートストーリーでした。
こういう作品は、キャスティングと、各パーツのバレエの出来や仕上がりによって、いくらでも良くも悪くも変化する作品だとおもいました。
作品はまぁ好きな方かなうんうん

休憩20分

次は、お待ちかね音譜
☆フレデリック・アシュトン振付の
二幕構成『二羽の鳩』THE TWO PIGEONS
音楽:アンドレ・メサジェ、美術:ジャック・デュポン
少女:島添亮子
若者(画家):エステバン・ベルランガ
ジプシー・ガール:萱嶋みゆき
ジプシー・ガールの男:冨川直樹
ジプシー・ボーイ:上月佑馬
美しい女性:藤下いづみ 

なるほど~。この作品は面白いし、楽しめるし、部分的にはつっこみどころ満載で、ある意味、良い作品です。ボコボコ感漂う恋愛バレエ、楽しい~sei
舞台はパリのアパルトマンの最上階のアトリエ。バルコニーがあって、なかなか天井も高い明るいアトリエです。青年画家(キャスト表では少年)のスケッチモデルをつとめるもじっとしていられない少女(おそろく16~20歳の設定)。
青年画家が苛立ちを募らせるところから話が出発します。

まずは、少女のダンサーは、誰がどう見ても、清楚で可愛らしく、少女らしいちょっとした落ち着きのなさや快活で感情を抑えきれない様子などを上手く表現できる必要があるのですが、島添亮子さん、15列目の座席から見ても大丈夫でしたok。ところどころ青年画家をからかうように踊る少女の愛らしいラブラブこと。バレエならではの表現の味わいがありました。身体のラインが華奢で綺麗なので、少女を感じさせてくれました。表現力が優れている島添さんは、初見の私にストーリーや感情のすべてを教えてくれました。欲を言いますと、後半では青年画家の若い男役と恋に落ちるのですから、後半ではもうちょっとエレガントさや女性としての豊かさで魅せてくれるとうっとりできた気がしますが、大きなムードを醸し出すよりも、細かな情感を表現するのが得意なダンサーさん、個性輝く素敵なバレリーナ。
青年画家を踊ったエステバン・ベルランガさんは、ジョゼが監督をつとめるスペイン国立ダンスカンパニーのプリンシパルダンサーでそうです。身体もバレエも演技も感情表現も大きく、大変綺麗なダンサーでしたので、観に来てよかった~ハートと一気に満足度をあげてくれましたが、ところどころ失速したり、緩めのポジションでお粗末なところがちらほろ。でも、中劇場が狭いからだと良きに解釈することにしました。イケメンで胸板厚くセクシーなので、多少お尻が大きくても、ゲストだしノー・プロブレム。

スケッチのモデルとして落ち着いて座っていない少女にイライラを爆発させ、スケッチブックを投げつけて怒る青年画家にビックリした少女は、どうにか機嫌を取ろうとするのですが、でもまたふざけてしまい。青年画家は少女にうんざりいやーっ
そこに、どういう訳か、少女のお友達がゾロゾロと入ってくる。
皆で楽しく踊るシーンがありましたが、その中で、青年画家は、少女の母(あるいはお目付け役)の女性に、少女がモデルとして全く役にたたないことを切々と伝える演技が豊かで面白かった音符
次に、バルコニーから外を眺めると、ジプシー集団が通りかかったらしくて、少女のお友達たちは知り合いなのが、よりによってこのジプシー集団をアトリエに招き入れます(なんでハテナ笑)。
ここで、この強引なストーリー展開から、ジプシー女とその仲間たちによるジプシーダンス披露大会がはじまります。バレエ的見所ですが、やや同じことの繰り返しがくどいところも古い作品ならではです。衣装はカラフルで編みこんだ紐のようなものがついたザ・ジプシー風で、結構重そう。しかし、踊る勢い衰えず、コールド陣の熱気のあるバレエを見ることができました。衣裳の色が全員違うところが目に楽しい。
ジプシー女は美しく、妖艶で、青年画家の心を奪う役です(目的は不明、お金ハテナ笑)。すっかりジプシー女に心を奪われた青年画家の様子を見て、嫉妬する少女。少女もジプシー女の魅力的な踊りを真似をして、大バレエ合戦vs
でも少女には大人の魅力がないので負け~笑
このあたりの、エスニックな感じ、結構見事に表現できていました美味い
色々なフォーメーション(列や円陣等)が展開され、見どころ満載なのですが、最前列のバレエダンサーは、いくらかの不足や気になる点を残しつつも、気にしないようにするとまぁまぁ感じよいのに対し、最後列になってくると見るも哀れな印象なので、あまり気にしない様にする注視点コントロールを自分に施しての鑑賞。
どんどんと、ジプシー女に惹かれていく青年画家なのですが、どういったことか、最後には、ジプシー男のボスは、女の手を引き、アトリエを後にします。
このあたり、理由がよくわかりませんでいた。だれかの依頼だったのかしらハテナ笑
青年画家は、去っていくジプシーを追い出て行ってしまい、少女はそれを悲しみます悲しい
ジプシー女のパートナーは、『ソリテイル』でも公演だった上月さん。再び熱演・好演で拍手の渦が沸き起こりました。対するエステバンさん、「元が良いのだから、もっと頑張れ~。ステップに閉まりないから見劣りしてるよ~」笑と言いたいところですが、かなりステップ細かくて、見るだけつかれるくらいのものでしたので大変だったのでしょう。
それはさておき、ジプシー女を追いかける青年画家とジプシー女ジプシー女の男の3人で、すったもんだを踊るシーンは、このバレエの見どころの一つなのですが、とても難しい技術と表現を小気味よく見せてくれて楽しかった。ブラボーでしたぱちぱち
「そんなのあり得へんないわ」と全員が口をあんぐり状態になる部分として、青年画家とジプシー女の男の対決シーン。当初、1人の女性を巡って、カッコつけアピール合戦をしたり、大乱闘になるのでは?といった勢いで汗がにじむようなバレエを見せ迫力満点なのですが、終盤突如として、二人が床に伏せ、“腕相撲”をします。
「お~い。悪いお兄ちゃんと、良いお兄さんが、女性を巡って“腕相撲”で決着?
これもまた、かなりツボれます笑

ジプシーはもともと素行が悪いので、何を考えているのかはてなマーク、ジプシーの男たちは、ロープを持ってきて、青年画家を結わいて痛めつけます。
ここでも、その集団リンチの目的がわからないところが難点なぜ?。お金を取っているシーンはなかったように思うのですけど…(やや自信なし、見逃していたかな?)
アシュトンはいろいろ道具を使いたがる振付家ですから、なにがなんでも主人公を紐にかけて縛って踊らせたかったのかもしれません笑
最後に、倒れた青年画家に唾を吐きかけるジプシー男とジプシー女。
なんだかなぁ叫び

このあたりで、転換。楽しい。両袖から壁がノソッとせり出してくる。場面は、再びアトリエ。
少女が、鳩のポーズで、寂しそうにしている。
そこに、青年画家は肩に白いハトを乗せて帰宅。そのハトなのですが、エステバンさんの大きくて踊りすぎで汗ばんだ手でごそっと掴んまれたハトちゃん。羽シワクチャになってしまい、ちょっとボロボロで可愛そう。青年画家が鳩をチェアにとまらせる。羽を切られているので飛べないけれども、羽をモソモソにされたことは気になる様子で、しばらくして落ち着いたたらのんきに羽をつくろっていましたCUTE
ここで、青年画家が少女の魅力に気がつきはじめ、二人の鳩のパ・ドゥ・ドゥ。仲良しの二羽のハトの様で素敵でしたアップ
愛の物語が成立

舞台下手から、もう1羽白いハトが跳んできます。舞台中央手前に着地した鳩。
あれ?、ちょっと鳩さん、演技よろしくお願いしますよ~おーい!
椅子の背にとまっている 羽を切られた可憐な鳩ちゃんのところに飛んで行って、ペアになってくれないとストーリーと重ならないじゃないの?笑
ちょっと飛べる1羽の鳩ちゃんは、舞台上をちょっと移動したりして、きょとんとした表情で、幕が下りました。
me1a「ウ~んぷんぷん、出来の悪い鳩め~。鳩鍋の刑になるぞ~ムカ」と心で独り言をいう私の顔はにやけていたことでしょうニコニコ☆茜香

どのあたりで書いたらよいのか、難しくて、書いていませんでしたが、この作品の一番の見所は、少女と青年画家は鳩になぞってあるので、鳩のような動きが振付の随所にある点です。首を前につき出したり、両腕を羽のように動かしたり、鳩のコミカルな動きを取り入れつつも、全体としてはバレエのエレガンスを醸し出すという超難しい課題をこなすべくバレエ表現を煮詰めないと、到底披露できない作品です。
白鳥が羽を閉じて床に伏せる様は美しいですが、同様な感じの鳩ヴァージョンを愛らしくも美しくみせる作品です。

今回、あっぱれな出来でしたOK

さて、そもそも鳩がストーリーにどう絡んでいるのか、良くわからなかったので調べたいのですが、ラ・フォンテーヌの「Les Deux Pigeons」に基づくオペラ座のバレエ作品をアシュトンがアレンジしたのかロイヤル版だということかしら。
プログラム買わなかったこと後悔。
研究が困難になってしまった。
このあたりから掘りさげるといいのかしら?
http://www.seiryupub.co.jp/warujie/2015/08/17.html

ロイヤルバレエ団の公演紹介動画↓キャストのローレン・カスバートソン(The Young Girl)、ワディム・ムンタギロフ(The Young Man)、ラウラ・モレーラ(The Gypsy Girl)って、すごくいいキャストに思います。ぐぅ~。




先ほど調べて知ったのですが、ロイヤルバレエは、今年2016年1月にこの『二羽の鳩』と『ラプソディー』のダブルビル公演を現地でしていて、そのDVD&ブルーレイが発売されていましたされる予定があるようです。
※ワディムが白いハトを手に乗せているROHのオフィシャル画像を見た瞬間、ワディム大好きな私は、まいあがってしまい、よく読んでいませんでした。説明を読みましたら発売に関する詳細発表はこれからだそうです。楽しみにしますよっしゃ
http://www.roh.org.uk/news/rhapsody-the-two-pigeons-to-be-released-on-dvd-and-blu-ray
なんと、キャストが
A Young Girl: Lauren Cuthbertson
A Young Man: Vadim Muntagirov
A Gypsy Girl: Fumi Kaneko
Her Lover: Ryoichi Hirano だなんて、嬉しすぎる、好き過ぎるダンサーばかりアップ

オペラ座のものと、ロイヤルのでは、随分仕立てが違う様です。
もとはこの系譜の作品ということでこれ↓

ピエトラガラを指導するイヴィット・ショビレ
お二人は、どれほど美しいダンサーなのでしょうラブラブ!

色々調べていて、ツボった話があるので、余分と思いつつも書いておきます。
http://yurikaballet.blog.fc2.com/blog-entry-2151.html
最後に鳩ちゃんが、指揮者の頭(ピカピカ)にとまったんですって~爆。もう、これが起きたら会場中、抱腹絶倒でしょうね。
私も感動の末の、大喜劇の現場に居合わせたかったなぁ~いいなぁ