皆さんは『ヘルタースケルター』という映画をご存知でしょうか。

2012年に同名の漫画から映画化されたものです。

内容は、田舎から出てきたリリコが全身整形を行い、芸能界で成り上がっていく話ですが、整形の後遺症でボロボロになり、暗い過去がバラされ、栄光の舞台から一気に転落していく話です。

これを観て皆さんはどうお感じになるでしょうか。

「ああ、芸能界って汚いな」とか「多くを望むとこういうことになるのよ」という教訓を得るのでしょうか。

しかし私の考えは少し違います。

芸能界に目を移してみると、芸能人の粗探しがみんな大好きです。
スキャンダルに次ぐスキャンダル。
過去にどんな境遇だったか、などなど。

でも本当に目を向けなければいけないのはそんな外面的なことではないはずです。そんなことはどうでもいい。

その過去の境遇からどう生まれ変わって現在に至るか、また、それまでにどれほどの覚悟があったのかということが重要なのではないでしょうか。

整形をすることには賛否両論あると思いますが、整形はメスを入れるもの、という事実は変わりません。

一旦それを行えば、もう二度と過去には戻れません。

一体どれほどの覚悟が必要だったかを考えたことがあるでしょうか。

そういった覚悟が今の栄光の日々を作り出しているのです。

見た目が綺麗になったから売れたわけじゃないんです。

主人公のリリコは、報道された過去の真偽を説明する記者会見の場で、突然自分の目をナイフで刺します。

そして、忽然と芸能界から姿を消しました。

リリコを手術した違法な美容クリニックを訴えた検事は最後に言いました。

「若さは美しいけれど、美しさは若さじゃない」

そういって、検事はリリコの写真集復刻の大きな看板を見上げます。

そして一言「大成功だよ」と言ってその場を立ち去りました。

その後リリコは、芸能界からは去らざるを得なくなりましたが、裏の世界で美を追求し続ける仕事に身を移し、再び成功しました。

繰り返しになりますが、覚悟というものがないと人は大きく変われませんし、本当の美しさとは、覚悟の目を持った人にしか与えらない。

私はそう思うのです。

ヘルタースケルターというのは、螺旋状の滑り台を意味するようで、そこから派生して、狼狽とか混乱の代替語として使用されるそうです。

この映画『ヘルタースケルター』は、一般受けするタイトルとして使用されていますが、作者の本当に意味するところは全く異なると思います。

事実、芸能界はヘルタースケルターかもしれません。

しかし、内面の美しさ、真実、覚悟はヘルタースケルターによって潰されるものではない。

作者はそういう強い想いを込めてこの作品を作ったのだと思います。