仕事帰り



微妙に混んでいる終電の大江戸線。



優先席に座って



日本語の教科書を真剣な眼差しで見つめる



外国人の若い女の人がいた。



若かりし頃のニコールキッドマンを彷彿させる



ビューティーとセクシーを合わせもった彼女は



大江戸線の地下深くでも



日の光を燦燦と浴びて



キラキラ咲き誇る向日葵のように



美しく輝き



疲弊するサラリーマン達を



その美しさで自然と癒していた。



中野坂上駅に電車が到着すると



多くのお客さんが入れ替わり



新しく入ってきた新参者達に押し寄せられ



仕事で疲弊しためしだは



その新しい流れに身をまかせて



車内に押し込まれた。



そうして気がつくと



めしだはニコールキッドマンの目の前に立っていた。



しかし



その日のめしだは超疲弊状態。



彼女の美しさを感じながらも



もはや疲れでフラフラ。



吊革を両手で掴み



ぶら下がるようにして



日本のビジネスマンが世界に誇る立寝をかました。



それを見た



ニコールキッドマンは



めしだの具合が悪いと察したようで



日本語の教科書を閉じて



その教科書を両腕で抱えて



胸の谷間をぎゅっと膨らませ



顔を上げ



めしだに向かって



キュートな日本語で



やさしく言った。



「すみません」



「よかったら」




「さわってください」