めしだがピチピチの20歳の頃。


イギリスに短期留学していた時のお話。


平和なケンブリッジという町に


2ヶ月間の短期留学という名の短期遊学。


最初の1ヵ月はホームステイ


最後の1ヵ月は寮ステイ


という気分極楽なスケジュール。


人生初めての留学で


心ウキウキワクワク。


ヒースロー空港に到着し


バスでケンブリッジまで向かう旅路


めしだの頭の中は


妄想満タン。


以下妄想↓

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ホームステイ先の家のチャイムを鳴らすと


やさしそうな美しいマダムと


イケテルダディーが


満面の笑みで現れ


めしだにやさしく言う


「よく来てくれた!マイサン!」


そうして熱いハグでお出迎え。


綺麗で広い家のリビングには


めしだを歓迎するお菓子や飲み物が溢れる。


マダムとダディーはめしだに言う。


「ここが今日から君の家だ!」


「必要なことがあったらなんでも言ってくれ!」


「さぁー飲もう!マイサン!」


始まる歓迎パーティー。


「チアーズ!」


乾杯したすぐ後に


階段をかけおりてくる足音。


姿を現した


マミーとダディーの娘。


その姿、そのビューティフル。


エマ・ワトソン激似の


ブリティッシュ女子大生。


彼女はめしだと目が合うと


キュートにウィンク。


そのベリーベリービューティフルなウィンクに


”留学よ!チアーズ!”


めしだハートは


恋の予感で大炎上。
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そんな妄想に浸りまくっている内に


バスがホームステイ先の家近くに到着。


現実の世界で


めしだはチャイムを鳴らした。


何秒か経った後で


玄関のドアが開かれ


姿を現した


不機嫌全快の婆と


加齢臭溢れるデブ爺。


挨拶もなしに


空港の荷物検査員の如く


荷物を僕の手から奪い取り


業務的に部屋に運ぶ。


あっけに取られ


入口で立ち止まるめしだに


デブ爺は何かを言った。


がしかし


あまりにも太りすぎた


デブ爺の体は


常に長距離走状態で


滑舌が機能せず


”ハーハーヴォーヴォー”


何を言ってるのか I don't know.


薄汚い部屋に案内され


現れたルームメイトは


目がいっちゃってるアラブ人。


めしだの顔を見るなり


「オーチャイニーズ!!」


と爆笑し


部屋を飛び出して行った。


「---」


強烈なワキガ臭漂う部屋の中


立ち尽くしためしだ。


少し経った後で


不機嫌婆とデブ爺に呼ばれ


リビングに向かう。


ここにきてまさかの


”歓迎パーティーか!?”


と思いきや


テーブルの上に置いてあった


ホワイトボード。


不機嫌婆は目を輝かせながら


ホワイドボードをめしだに見せる。


それはまさかの


料金表。


そこに記された各料金。


”洗濯料金”


”洗剤料金”


”乾燥料金”


”コーヒー料金”


”散髪代”


そこに並んだ


ツッコミ所のオンパレード。


「---」


ショックで固まるめしだ。


その時、聞こえてきた


階段を降りてくる足音。


”まっまさかエ...エマ?”


暗闇の中


光輝く一筋の足音。


期待で胸爆発寸線の中


姿を現した


婆と爺の娘。


その姿


そのサプライズ。


ハンプティーダンプティー激似の


卵型の


ブリティッシュ女子大生。


彼女はめしだと目が合うと


突然発狂。


「オーマイガー!」


「チャイニーズ!」


「ファック!!!」


その娘の発狂に


デブ爺が親父らしく注意


「ハーハーヴォーヴォー」


そのデブ爺の言葉に


娘は逆切れ


「ファーック!」


転がるようにして


家を飛び出して行った...。


娘がドアを勢いよく閉じた音が響き渡った後


デブ爺が


申し訳なさそうに言った。


「ソーリーチャイニーズ」


めしだはぎこちない英語で


ツッコミ。


「ノー!アイムジャパニーズ」


その言葉を聞いて


デブ爺は言った。



「ソーリー...チャイニーズ...」