ピアノをはじめる前、私はテレビやヨウツベでピアノを弾く人たちをよく見ていたのですが、誰をとってみてもたんたんと何事もないように両手で弾いているので、ピアノという楽器は実はとても簡単なものではないのか?というイメージを持っていました。
そしてピアノをはじめてから、片手ずつならほとんどの曲を2、3日で弾けるようになれました。
が━━両手を合わせようとすると、『なんで?』と感じるほど難しく、まったく弾けないのです……。
ここではじめて、ピアノという楽器の想像を絶する難しさを知ることになりました。
ピアノはちゃんぽらんでいい加減な性格の人間はぜったいに弾けません。とてつもない努力家で、限りなく真面目に練習に取り組むことができる性格の人間でないと弾けません。
わずか3小節を通常のテンポで両手で弾けるようになるのに、難しい曲の場合は1週間ほどかかることも珍しくありません。そんなはがゆい思いをしないと弾けるようにならない楽器にもかかわらず、あきらめずに練習を続けられる人のみが弾けるようになれるのです。
そのためピアノというのは、集中力と忍耐力がいやでも鍛えられます。果てしない集中力と果てしない忍耐力がないと弾けるようになれないからです。
たとえ子供にピアノや音楽に興味がなかったとしても、無理やりにでもピアノを習わせるというのは、集中力・忍耐力を育てるという点ではいいことだと思います。