ピアノという楽器はギターなどと比べると、『独学で上達するのは難しい』とよくいわれます。
理由はいろいろな説がありますが、私が思うに、単にすぐれた教材がないからだと見ています。
ピアノの入門書というのは、どれをとってみてもろくでもない内容です。
♦どの本にも同じことしか書かれていない
♦初心者目線で書かれていない
♦具体性がかけらもない
この3拍子を兼ね備えた愚書ばかりです。例外といえる本もかろうじてあることはありますが、それでさえ賛辞を送るほどのものではありません。
ピアノの練習本で最近ショックを受けたのが、【ステップ・アップ・ピアノ名曲集グレード4】というもの。
グレード5に【エリーゼのために】があるので、エリーゼをそこそこ弾ける今ならグレード4の曲が練習用に向いていると考え、グレード4の1番最初の曲である【スケルツィーノ】の練習をはじめてみました。
が━━練習曲にもかかわらず、メチャクチャ難しいのです。さらに楽譜の読み方がよくわからず、途中で挫折してしまいました。
2曲目、3曲目の楽譜を見たところ、【スケルツィーノ】より簡単そうなので難易度順になっているわけではないみたいですが、1曲目でこれなのですっかりやる気をなくしてしまいました。
もしもピアノの先生がそばにいたなら、『ここはどういうことなんですか?』と質問して解決することでしょうが、独学ではどうにも進みようがありません。これがピアノは独学では難しいといわれる最大の理由だと思います。
『それならピアノの本に、読者がきっと疑問に思うであろうことの答えを書いておけよ』と思うのですが、そうしたことができる才能の持ち主がいないのでしょう。そのためろくなピアノ本が存在せず、独学をさまたげてしまっているのです。