●タイトル 病院食


とある病院に勤める料理人のお話。料理人は日々、入院患者に向けて料理を作っていた。かなり予算の限られている中で食材を調達しかつ栄養配分を考えた食事を作るのに料理人は苦労していた。だが、、正直満足な食事を入院患者に与えられていなかった。(逆至誠)


 ある時、入院患者たちは病院食をもっとおいしいものにして欲しいと切実に訴えてきた。そんな患者たちを前にしてついに料理人は何とかしようと立ち上がる。(庇護)


 病院長と掛け合い食材予算の増額をお願いしつつ、(秩序)食材業者に対しては今までの決まりきった安い食材ではなく、安くてても良い食材を調達して欲しいとお願いする。(変化)そんな料理人の強い意志もあって、料理はおいしいものへと変化していった。(意思)
 そして、この病院では入院患者の元気がみなぎり、死亡率も大幅に下がったとさ。(生命)



●タイトル クリンプソン神父


クリンプソンは両親が由緒正しい神官であった。クリンプソンは両親を尊敬し、幼い頃より神に服して来た。(理性)


そんなクリンプソンは本部教会からある貧困地域の教会の神父を任せられることとなる。クリンプソンは宣教の思いに燃えていた。(意思)


そんなクリンプソンの思いとは裏腹に神父を務める教会が今まさに取り壊されようとしていた。貧困地域に住む人々(敵・逆幸運)が襲撃しているのであった。クリンプソンはそんな人々を説得し、全員仕事を見つけてやると約束してしまう。そして、本部教会からは認められていないが、クリンプソン自身が教会で事業を始めて貧困街の人々を雇用する。(逆公式)教会に居る修道女たちの献身的な支援もあって(仲間・清楚)徐々に事業は起動に乗り始める。


しかし、教会で事業をやってしまうという認められていない方法を用いていたクリンプソンは本部教会から糾弾されることとなる。しかし、貧困街の人々と修道女たちが一斉に反対し、クリンプソンは守られる。こうして、クリンプソン神父と修道女と貧困街の人々は幸せな暮らしを取り戻した。(善良)



●タイトル 戦争看護士


アキラたち家族は、父の仕事でネパールのとある村に来ていた。ところが、反政府ゲリラの手で村中の人々が殺される中、外に出てしまったアキラは瀕死の重傷を負う。村には医師などいない。両親は必死に助ける方法を探し、隣町に駐留している国軍に従軍している戦争看護士がいると聞き、救護を頼む。戦争看護士は、破壊されつくした村、多くの遺体が倒れる荒野でアキラに処置を施し、アキラを救った。そして、アキラは戦争看護士になって戦時で死にいく人々を救うことを決意する。(逆創造)


アキラはいつもと変わらぬ看護を続けていた。嫌味を言う医師の小言を我慢しつつ、同僚の看護士ともなんとかうまくやっていた。少年の頃の決意など忘れかけていた。日本に戻り平和な日々を過ごし、なに不自由なく看護学校を卒業、そして赴任した都立病院で怒られながらも平和な日々を過ごしていた。そんな中、日本で突然戦争が始まり、日本はあちこちで戦火があがるようになる。(逆調和)


アキラは、戦争看護士になるという少年の頃の決意を思い出し、各戦地に巡っては戦争被害者を中心に看護を続ける。(意思)
そんなアキラにいやいや付くアシスタントたち。彼らは徴兵された新米の戦争看護士だ。彼らはもともと普通の看護士である。そんな彼らが戦時という事で無理やり戦争看護士になっている。(逆誓約)


 次々に人々が敵に殺されていく。(敵・逆生命)そんな中でもアキラはあきらめぬと治療を続けている。しかし、無理をしすぎて前線に出すぎたアキラは戦士してしまう。だが、彼のどこまでも治癒してやると言う意思はその後も戦争看護士の間に引き継がれていき、多くの被害者を救うのであった。(治癒)



●タイトル 商人貴族娘


 マリアは王族第二位の皇位継承件をもつ名門貴族の娘だ。父は国の大臣、母は社交界で知らぬものはいないといわれるほどのダンスの踊り手だ。そんな家系でなぜかマリアだけは別のことに興味をもっていた。そう、商業だ。


 商業は職業身分の中で最も卑しいものとされていた。そんな中で、マリアは父には内緒で幼馴染を部下として従えて事業を始める。手始めに隣国との貿易に取り組む。
 隣国のとある大臣は皇位継承権第二位の名門貴族がそのような商業行為についているのを今後の侵略の布石だと勘違いし、マリアの邪魔をしようとする。宣戦布告をしているわけではないので、表立ってマリアを襲撃するわけには行かないが、隣国内の商業取引には手出しできる。
このように隣国大臣の邪魔にあってマリアの商売はなかなかうまくいかないが、隣国のとある女性名門貴族と親しくなることで、商売は軌道に乗り始める。


 これで、事業を拡大できるわと思っていた矢先に、マリアの父に事業のことがばれてしまう。そして、事業をやめなければ勘当だと脅される。当然、父親はそれでマリアも大人しくなるだろうと思っていたが、なんとマリアは勘当されたほうがちょうどわとと言い放つ。そして、マリアは名門貴族の名を捨て数少ない女性商人として動き始めたのであった。



●タイトル IT研究所の騒動


 フォルンは、とあるIT技術研究所の研究員だった。それなりの研究成果を残しつつも上司と馬が合わず、いやな役回りはいつもフォルンに回ってきていた。あるとき、研究所内で激震が走る。研究所のとある機密情報が産業スパイによって狙われている痕跡がみつかったとのことだ。フォルンはこの面倒な調査を命じられる。(逆幸運)


 早速、調査に着手するフォルンだが、そんなにすぐ解決するわけもなく、調査は難航していた。嫌味な上司に何て言われるか分ったものではないが、もうお手を上げようかと思っていた時だ。フォルンのお気に入りの女の子である日本人の美奈が調査補佐として協力してくれることとなった。美奈は透き通るように肌の色が白く。いつも綺麗に整えられた日本人形のような黒髪がフォルンのお気に入りだった。(清楚)まぁ、そんな下心は露知らずおのずと調査のやる気も出るフォルンであった。


 とはいえ、美奈と調査を続けても全く原因が分らずじまいだった。しまいには美奈とのおしゃべりや、調査と称するデートにあけくれるようになっていた。(逆厳格)しかし、美奈から若干距離を置かれ、(仲間・逆至誠)調査を続行するよう渇を入れられる。さらには、嫌味な上司から期限はとっくにすぎているぞ、何をやっているんだと詰められる。(逆誓約)
そんなプレッシャーの中、本気をだして調査にあたるフォルン。ついに真相の手がかりを掴む。


 四苦八苦した挙句、ついに産業スパイの本性を掴む、この研究所の所長自身が情報を売り渡していることを告発するフォルン。大騒ぎとなる研究所。(逆調和)
そんな功績が認められフォルンは昇進する。そして、なんだかんだで良いコンビだった美奈とも婚約を果たすことだできた。フォルンは満足だった。一点気になることと言えば、馬の合わない上司が新しい研究所長となったことぐらいだ。