●タイトル 女子高生商人・美紀
時は江戸の堺の町。源次郎は、歳にして十五を見返る商人見習い。ようやく最近は一人で小さな商いをさせてもらえるようになった。しかし、源次郎の所属する商業街組合は混乱を呈していた。秀吉からの金差出し要求、組合長商家の争奪戦。と揉め事がおおい(逆調和)
ある日源次郎は、外来船乗り場から逃げてくる同い年くらいの女の子を保護する。どうやら何日も飯を食っていない様子で、とにかく何か食わせてくれと言ってくる。それよりも源次郎はこの女の子の格好に驚く。まるで外来船の水夫が着るような服を着ているのだ。
そして、外来語交じりのような日本語を話す。(源次郎が理解できたのはちょこれーとくらいである)しかし、めちゃくちゃ可愛い女の子だった。肌の色が驚くように白く、清楚な感じである。源次郎は一目ぼれした。(清楚)
源次郎はこの女の子と共に、商業組合の秩序を取り戻すために戦うこととなる。秀吉の権力を駆使した攻撃に耐えながら、商業組合の重鎮を女の子の手を借りてとうまく交渉を進めつつ、最後は、商業組合を再集結させ秀吉を完全に参らせる。
そして、この女の子はいずれかに消えていってしまうのであった。
●タイトル 成美による生徒会執行部
生徒会長選挙戦候補の成美(なるみ)は生徒解放宣言と称して聴衆の前で公約を述べた。
一.『現校則の全撤廃』
二.『登下校時間の自由化』
三.『担任選択制度』
四.『構内清掃の業者委託』
五.『対教師風紀員の設置』
そして、成美は海星高校生徒の大多数の支持を得てトップ当選する。圧倒的な生徒の指示と成美の行動力に教師は全く抑制の手出しができなかった。こうして生徒解放を主張に掲げ海星高校生徒会の成美執行部の時代が始まった。(解放)
教頭を筆頭に教師たちは成美執行部と再三協議を進めるも、成美の説得は進まない。体育教師はふざけるなと怒鳴り散らすも、多数の生徒の支持を受けている成美に手出しはできなかった。(逆厳格)
ついに成美は動き出す。現校則の「海星高校校則は生徒の三分の二以上の賛成で改正できる」という条項に目をつけた成美は、公約を実現すべく校則やその他制度の大幅改正に着手した。現在の校則・制度をほぼ全て廃止していった。(逆創造)ただ、細かい改正にあたっては、参謀として六朗の力が大きかった。冷静沈着かつ常時平穏と成美とは対照的な存在ではあるが、成美との正反対の相性が功をそうしたようだ。(秩序)
対して、教師たちも対策を大幅強化する。教育委員会へ応援要請したり、成美の成績を立てにおどしたりといった戦術にうってでる。(変化)しかし、成美は全く動じなかった。こうして、成美は独裁的な手腕を大いにふるって公約を実現させた高校を作り上げた。
しかし、事態は急展開する。成美のことを快く思わない一部生徒と教師が結託して、成美のスキャンダルを暴露する。成美が生徒会予算を私物化し贅沢三昧している写真と記事を校内中にばらまく。急激に低下する支持率。成美は生徒会長の地位を追われ、失職してしまう。そして人知れず転校してしまうのであった。こうして海星高校には平和な日々が戻った。(逆節度)
●タイトル 盗賊ねずみの助
時は江戸時代。江戸の町は、闇夜をかけて屋敷から金品を盗み去り下町の長屋にお金をばら撒く盗賊ねずみの助の噂でもちきりだった。(逆善良)
ある時、ねずみの助はとある屋敷から蔵から金品やら貴重品やらを盗みいつものように盗み去り下町に配った。次の朝、ねずみの助は楽しみに町の噂を聞きにでると、その噂に耳を疑った。なんと、やはりねずみの助は悪者だという噂が蔓延していた。(逆庇護)
どうやら、昨晩盗んだものの中にその家の娘の病を治すための秘薬が入っていたらしく、それを盗まれた娘は一晩で亡くなってしまったとのことだった。(逆生命)町の役人達は今まで世相の支持があったため大規模なねずみの助包囲網を組みにくかったがこれを機会に町中で厳しいねずみの助包囲網をはった。(厳格)
ねずみの助は自分のしてきたことに疑問を抱き始めた。たしかに盗みは悪いことだ。しかし、多くのものを持っているものから奪い、少なきものに分け与える行為に意義を感じていたのだ。しかし、今回、奪われたことで不幸になってしまう人が居ることを痛感した。やはり盗みは悪いものだったと。そう考えていた矢先、ねずみの助の居場所が役人に密告されたらしく、家に役人が押しかける。そして散々痛めつけられたあげくにねずみはお縄についた。(逆慈悲)
こうして、ねずみの助は多くの聴衆の面前で斬首されることとなった。ねずみの助は聴衆から飛ぶ罵倒の声、投げつけられる石の痛みを感じながら、人助けとはなんだったのかとふと考えていた。いや、考える間もなくねずみの助の首は聴衆の面前に転がった。聴衆はこれで江戸の町に平和が来ると大いに喜んでいた。(逆至誠)
●タイトル 治癒魔法使いミローネ
ミローネは自分が幼い頃から見続けてきた村が、人々が破壊され虐殺されていく姿を目前にした。ミローネの村は反逆罪の疑いをかけられ、そして国軍の手によって全てを破壊されてしまった。(逆創造)
ミローネは命からがら村から逃げ出し、ただ一人で生きてきた。苦しむ村の人々を助けられなかったことを悔いていたミローネは治癒系魔法使いとして頑張っていた。そしてめきめきと頭角をあらわす。(治癒)
そしてついには、国軍付きの治癒魔法使いとなるミローネ。(公式)ミローネは初参戦として理知あるシーフ一族を異端児討伐として討伐する戦に参加する。(敵・理性)武器をもたないシーフを虐殺していく、ミローネたちの国軍。(逆慈愛)そんな国軍に加担するミローネ。ある程度虐殺を終えた国軍は撤退する。
撤退の岐路についたミローネであったが、シーフたちのことを思い出し、ついに国軍を逃亡する。そして、シーフたちの村に戻り、まだ息のあるものを治癒魔法で蘇生していく。そして、申し訳ない申し訳ないと繰り返すミローネに対して、シーフは言った。いいのじゃいつの時代も強きものが生き延び、弱きものは死に絶える。自然の原則じゃ。その言葉にミローネは幼き頃に焼き尽くされた自分の村を思い出す。国軍つきになったミローネは恥じ、いつまでもシーフの村で治癒にあたるのであった。(至誠)
●タイトル 不幸な王女ルールジュ
王国の王女としルールジュは生まれた。優しき王たる父とやさしき母そして、王宮の人々にそれは大切に育てられた。(調和)
しかし、王国は一部将軍による反乱軍によって制圧される。当然、ルールジュ達が住まう王宮にもその手が伸び、王たる父と母は殺され、ルールジュも瀕死の重傷を負う。(逆生命)しかし、生き残った大臣の手によってたすけられる。大臣たち旧王国の人々は地下組織として何とか生き延びていた。しかし、ルールジュは全ての記憶と感情を忘れ去っていた。そうしないと体の自律が保てないのだろう。体が自然にそうさせたのかもしれない。
ルールジュは過去の記憶を一切忘れ去り、冷徹な殺人鬼として旧王国軍の人々とともに現国軍と戦いを続けた。(敵・逆公式)そんな戦いの中で、死にそうになるも何度も治癒によって助けられた。(仲間・治癒)そうしているうちに感情と愛の気持ちをとりもどす。(慈愛)
ついに王国政権を取り戻し、ルールジュも記憶も取り戻す。だが、父と母はもういない。それを思い出し悲しみに打ちひしがれるルールジュ。しかし、新王国の王女としてりりしく国を再建するのであった。(変化)