●タイトル 魑魅魍魎の巣食う場所


信二の父は経済界でも有名な会社経営者だった。そんな父とは対称的に信二は、父の信用とお金を使い、借金しまくり、金つかいまくりの生活をしていた(逆節度)


父の急死により会社全てを引き継ぐことになった信二。事の重さを認識しながらも四苦八苦しながら会社経営を進める。しかし、遊び人のイメージが浸透していた信二に部下の求心力があるわけもなく会社経営はうまくいかない日々が続いた。(逆厳格)


そんな中、信二は経済界の社交の場にでる。人と話すことに自信のあった信二は気晴らしになるかと思っていたのだが、そんな甘いものではなかった。そこは魑魅魍魎が巣食うような場所であった。経済界の汚い裏の取引を見たり(敵・逆知恵)そんな信二を長い目で応援してやろうという社長がいたり(仲間・逆変化)と色々な人と関わりをもつ。しかし裏の汚い取引によって大切な人を失い涙する人を目前にして、信二はすべてを暴露しようとしてしまう。(善良)


そうこうして、一大企業の不正を暴いた信二、そしてこれを機に会社を全て売却してしまった。信二がオーナーをしている限り、信二の持つ会社は経済界で負い目を感じ続けることになるからだ。そして、信二は平凡な生活に戻る。だが、昔のように単に遊び通すのではない、自分の意思をもって自分のするべく道を生きることを誓うのであった。(勇気)



●タイトル  コロンブスの卵を割る男


※短編小説のプロットとして使おうと思いますので、その折に公開します。




●タイトル 望まぬ戦争


エストニック公国 王子
トリニン王国 姫 大臣が国家反覆をもくろむ


隣国同士であるエストニック公国とトリニン王国は百年以上ものあいだ友好関係を培ってきた。さらに喜ばしいことに公国の王子と王国の姫の婚約の契りが結ばれた。これによって両国の友好は絶対のものとなり、正式な同盟締結を結ぶ段取りが進んでいた。(信頼)

 しかし、ある事件をきっかけに雲行きが怪しくなる。トリニン王国の一部将校と兵士が独断で両国境界に近いエストニック公国の村を襲撃し、占拠してしまう。反乱軍はエストニック公国およびトリニン王国の連合軍によってすぐに制圧されてしまう。しかし、トリニン王国の政情安定が疑問視され、両国間の同盟は一次保留となる。しかし、最も悲しんでいたのは他ならぬ、王子と姫の二人であった。二人は国同士のためではなく本当に愛してあっている二人だったのだ。結婚を目前とした出来事に悲しおおのく姫、それを見て父であるトリニン王国の王は無様な失態を悔いた。(逆至誠)


そんな王子・姫の意思とは無関係に両国間の関係はさらに悪化する。(逆意思)両国間の定期貿易に関してトリニン王国が不正な水増しが行われていたことが発覚。先の事件とあわせてトリニン王国の信頼が失墜する。それに対して王は対応と信頼回復の指示を大臣に指示するが、大臣は十分な働きができず、逆にエスニック公告の王を奮起させてしまう。

ついには、エスニック公告はトリニン王国に宣戦布告する。王子は公国の名誉と平和維持のために戦争に出撃することとなる。(仲間・秩序)対して、トリニン王国の王は大らかな性格が災いして、まったく対応がとれず大臣まかせにしてしまう。(敵・寛容)こうして、戦況がますます悪化するかに見えた矢先、トリニン王国は白旗をあげる。なんと、王国の大臣が自国の王の不甲斐なさに嫌気がさして王の首を持って投降したのだった。そして、大臣は後任の統治者として任命される。


姫は大きな悲しみに打ちひしがれていたが、とある晩に真実を知ってしまう。そして公国の王子に真実を打ち明け相談する。王子は父に願い出て旧トリニン王国の占領地を任せてもらう。公国の王は、王子を大臣の上位に座らせる。不満たらたらの大臣。王子はその地位を使って大臣の罪を摘発し追放に成功する。
こうして、無事に旧トリニン王国の王として王座に着いた王子は、姫と念願だった結婚の契りを交わし、二人は幸せな日々を手に入れた。(結合)



●タイトル 商い人・源次郎


 父親は大の博打好きだった。ある日、博打に大失敗し千両という大借金を背負ってしまうことになる。源次郎の父親は逃亡し、母親と二人家に残されてしまった。しかし、翌日、借金取りが来て、母親はどこかに連れ去られ、源次郎も連れて行かれた。そして、とある商家の丁稚奉公人として引き取られることとなった。まだ十歳にも満たない源次郎は過酷な労働を強いられるのであった。(逆幸運)


 源次郎は客とのやり取りで華麗な弁舌を駆使し、通常より二〇%高い価格で商談をまとめる。そんな様子をみて若頭も感心し、源次郎を褒める。源次郎は十六を迎えていた。厳しい修行と良い商い人に恵まれた源次郎は素質もあってか、弁舌の利く賢い商売人となっていた。(知恵)


そんな源次郎は、いつか自分の店がもてるくらいまでお金を稼ぎ成功したいと考えていた。そこで、積極的に大きな取引に参加していった。そんな源次郎は小さな支店を任せてもらえることとなる。
取引相手に合わせて華麗に性格と態度を変化させる部下の良次(仲間・変化)と共に順調に店を切りもりする。大きな金額を任せて良次に取引させていた案件で良次は、怪しげな美貌を放つ女商人(敵・逆清楚)に騙され大きな失敗をしてしまう。当然、源次郎にも責任が及び、商家の大旦那から良次と共に追放されてしまう。(逆信頼)


こうして、独り身になった源次郎はちょうど言いと思い、自分の商いの知識を生かしながら母親を探すたびに出た。もちろん負い目を感じている良次を引き連れて。(意思)



●タイトル 諜報貴族


 ボルテーヌ家は由緒正しい諜報貴族の家系。本来、貴族とは戦時の場合に王族の指示に基づいて兵力を差し出す義務を負うが、諜報貴族は他国との諜報、外交に特化した専門の貴族であるがゆえに、戦時にはそういた部分で協力する。そして、ボルテーヌ家の血を引く、マリア・ボルテーヌもまた、幼少期より厳しい諜報教育を受けてきた。(知恵)


 マリアの父は優秀な諜報貴族として国務を担っていた。戦時の際は、いち早く指示を受け、国の利益のために適切な諜報を行う。そんな父は娘マリアに厳しかったがマリアは尊敬していた。戦時とはそういうものだとよく教わった。しかし、父が暗殺されてしまう。厳しい父の思い出がよみがえるマリア。父の仇を討つために自分も諜報貴族になるべく決意する。(厳格)


 同時期、国の王が歴代始めての女王となった。女王は適正な政治手腕を発揮し、国を繁栄させる。そして国民の間で幸福の女神と称される。(仲間・幸運)マリアも国で初めての女性の諜報貴族だ。マリアは女王から親しみを感じられ一層の支援を受けながら、めきめきと頭角をあらわす。可憐で女性ならではの細かな気遣いによる諜報活動を得意とした。(清楚)


 そんな中、国の存在を脅かす新興国があらわれる。既存の王政を討伐し、最近独立宣言をした新興国だ。(創造)しかも、マリアは父親暗殺の首謀者に関して地道な調査を続け、この新興国が自分たちの利権保持のために邪魔だった父親を殺したことを突き止める。新興国はマリアの国に宣戦布告しマリアは諜報貴族として対峙する。


王女の支援を受け何とか、マリアの諜報活動は成功した。そして新興国は大人しく降伏に同意し、両国は統合統治されることとなった。こうしてマリア達の国には平安が訪れる。マリアも一回の諜報貴族として十分に職を全うした。きっと父親もたくましいマリアの姿を喜んでいるに違いない。(結合)



●タイトル 島国マリラッカ


 時は一五〇一五年。東シナ海の遠洋に位置する島国マリラッカは、ポルトガルの植民地となっていた。マリラッカの現地民は文字を書けないものが多く、また十分な教育も受けておらず、ポルトガルの知識と武器によって簡単に制圧された。そして、コロンブスはマリラッカを植民地化した。(逆理性)


コロンブスには、祖国より受けたもう一つの重大な使命に着手する。それは宣教活動だ。キリスト教の知識が入っていない未開拓地域に神の教えを伝えることもポルトガル国王に受けた重要な使命だ。しかし、現地に根強く残る土宗教の影響を受けて改宗は思ったようにすすまない。現地民は神の教えを信頼しないのだ。(逆信頼)


そんな時、頼みの綱である本国との連絡が取れなくなる。(仲間・逆庇護)人員・食料・物資など本国からの輸送がないとコロンブスたちは立ち行かなくなる。
何ヶ月待てども物資は届かず、コロンブスたちは現地民に殺されることを覚悟する。しかし、現地民たちはそんな苦しむコロンブスたちを歓待した。敵だと思っていた人々の優しさに触れてコロンブスの心境に変化が訪れる。(敵・清楚)コロンブスはこのマリラッカの人々をポルトガルから守ることを決意したのだった。(意思)


その後、コロンブスの反逆を知った本国は、艦隊を送りこんでは、マリラッカの制圧とコロンブスの逮捕にのりだすが、マリラッカの人々との連携によってそれはうまく行かない。ついには、ポルトガル王国はあきらめた。コロンブスは欧州技術や知識をマリラッカに取り入れ、マリラッカを強国へと育て上げた。(変化)