前回の続きです。

 

母は私にとって

”いつも約束を破る人”

だった。

 

「あなた達のためなら何だってする!」

 

が口癖ながら

私達が望むことは

何もできない人だった。

 

(約束をわざと破るというほどの

悪意はないが、約束を

守りたいという気持ちは全然見えない人だった)

 

 

 

 

そんな母は

15年以上前に夫(私の父)を

亡くし

 

翌年には

かわいがっていた孫も

亡くし

 

 

昨年

同居していた

長男(私の弟)の嫁に出ていかれ

 

 

今は

ひっそりと暮らしている。

 

 

母は多くのものを失ったにもかかわらず

何も変わっていない気がした。

 

 

私は母を変えたかった。

ずっと

そう思ってきた。

 

それは

いまの母を否定することだった

かもしれない。

 

 

何もかも失った母と

夫のDVで泣いていた昔の母

 

何も変わっていないとしたら

 

 

これが

母の生き方なのかもしれない、

そう思えた。

 

 

母は自分の生き方を選んで

その結果を

生きている。

 

 

私から見て決して

好ましい姿では

ないけれど

 

私に母を否定する権利はないのだと思う。

 

 

私は母に

花とケーキを渡し、

小さく「おめでとう」を言った。

母は穏やかに

「ありがとう」と答えた。

 

 

 

 

今日も読んでいただきありがとうございます。