めるめるだんご茶屋・秋の再開編 


 約1年ぶりの営業再開






ぷるこ「めるくーん、来たよ〜」

秋の風と一緒に、ぷるこがだんご茶屋へ帰ってきた。

ぷるこ「火鉢の番ありがとう。夏が終わったから、また火鉢出さんといけんねぇ」

店主めるくんは、店の奥から顔を出した。

めるくん「おお〜、ぷるこ! 火鉢ならちゃんと番しとったよ」

もっとも、夏の間は火を入れることもなく、ただの丸い置物として鎮座していた。

ぷるこ「団子も焼けちょうかいね?」

めるくん「あるある。営業再開記念の焼きたてだぞ」

めるくんが火鉢の上で団子を転がす。


ぷるこ「もういい?」

めるくん「まだ」

ぷるこ「もういい?」

めるくん「まだ」

ぷるこ「もういい?」

めるくん「今!」

焦げた。

めるくん「……焦げたほう、ぷるこのな」

ぷるこ「ぶはっ(笑)」

ぷるこは団子を受け取り、ふと思い出した。

ぷるこ「そういえば、金田一める助の昭和自転車も元気だった?」

めるくん「そこ確認する!?」

軒下には、前カゴと荷台のついた古い自転車が停まっていた。

めるくんがベルを鳴らす。チ……リ……ン……。

めるくん「夏の間にベルまで年を取ったな」

ぷるこ「ぶははは(笑)」

そのとき、向かいの家の障子が、すっと三センチ開いた。

👵お婆さん「……あの子、帰ってきたのかい」

ぷるこ「お婆さん! お久しぶりです!」

👵お婆さん「元気だったかい。団子、二本食べたね」

ぷるこ「見とったんかい!」

火鉢の番をするめるくん。団子を食べるぷるこ。向かいから見守る、監視モードのお婆さん。めるめるだんご茶屋は、2025年9月に開店し、翌10月には臨時休業していた。それから約一年。店先には、ずっと休業の札が下がっていた。

👵お婆さん「あんたたち、本日が長いねぇ」

めるくん「……確かに」

めるくんは暖簾を掛け直した。『めるめるだんご茶屋 本日より営業再開』

ぷるこ「うまっ」

めるくんも団子を食べた。

めるくん「あ、俺のも焦げてる」

👵お婆さん「一年休んでも腕は変わらんねぇ」


一同、ずこ〜〜〜っ!! 


🍡第4話おわり



【編集後記】第4話をお読みいただき、ありがとうございました!「本日」という休業の札を出したまま丸1年休んでいたという、めるくんの驚異的なマイペースっぷり(笑)。そして、しっかり2本食べたことを見逃さないお婆さんの監視の目が、これからもだんご茶屋を賑やかにしてくれます。「もういい?」「まだ」の掛け合いで本当に焦がしてしまうめるくんですが、昭和レトロな下町のドタバタ感を一緒に楽しんでいただけたら幸せです。ちなみに、第3話のカフェへの「出張営業」のあと、隣町のだんご茶屋に戻ってきたらこんなドタバタが待っていました。1年休んでも腕が変わらず、お互いに団子を焦がしてしまうのがこの二人らしくてホッとしますね。どて。
次回【第5話】は、また「解放区カフェ」のお話をお届けする予定です。ぜひまた覗きに来てくださいね!


*イメージ画像はAI生成です