「銀のほのおの国」
本当に、本当に、長らくブログおやすみしていました。 この間、ブログのチェックもせずにいたのですが、 暫くぶりに、自分のブログをのぞいたら休んでいた期間にも訪問して下さる方達がいて感激し ました。訪れてくださった皆様にお返しの閲覧もしないまま何ヶ月も経ってしまいました。 本日再開です。 たかしとゆうこの兄妹の家の壁にトナカイの首が飾られていた。魔法にかかったようにじ~と動かないでいるこのトナカイを魔法からといてやろうとして、たかしがいつか映画で見たような呪文をとなえたら、生き返ったトナカイに二人は壁の穴にひっぱり込まれてしまう。 暗い穴の中をひきずられたかと思うと、二人は野原に出ていた。自分の家ばかりか隣家の家並みもまぼろしのように消え失せていた。 トナカイは遠くの林の方に駆け去って行った。その後方には険しい山脈がつらなっている。異次元世界への導入部である。 トナカイを探して家に帰る手段を見つけようと二人の冒険の旅が始まる。 旅の途中、黒ウサギの茶袋、その友達のおじさんウサギと子どもウサギのはね坊主、ムジナ、ツグミ等々と知り合い、それら言葉を話す動物達に、生き返ったトナカイはかってこの世界の王であったハヤテであること、ハヤテはかって青いぬ(オオカミ)の策謀と巨人のうらぎりにより滅ぼされたこと、その後、この世界は青いぬによって支配されて、他の動物たちは青いぬの食料にされることを避けるためしっそりと隠れ住んでいること、又、この世界での危険を避けながらの旅の仕方等等を教えられる。 やがて二人は、かってこの国を統率していたトナカイと、現在の支配者青いぬ(オオカミ)の戦に巻き込まれていく。あとは本で……。 つけくわえると、この物語は単なる冒険譚ではない。ある生命が自らの命を維持するためには他の命を食さなければならないという生命存在の不条理を問うた作品でもある。 「銀のほのおの国」神沢利子著 堀内誠一画 福音館創作童話シリーズ