私自身、著作のことで2回くらいインタビューを受けたことがあるのだけれど、まったく言った通りに書かれていたことはむしろまれな方で、だいたいどこかしら、言ったことが違っていたり、違う解釈をされていたりした。ときには、いったいどうしたらあのインタビューから、こんな記事ができるのかと、驚くしかないような記事ができあがってくることもある。そうした経験をすると、ジャーナリストというのは、実は、現実を忠実に伝える人たちなのではなくて、よさそうなことを創作する人たちなのだなと思ってしまうくらいだ。

 

わざわざ現場に出向いても、最初から頭の中にあったようなことしか報道しないなら、CGで画像をこしらえて話を創作したとしても、同じようなことなのかもしれない。災害だとか事故だとかの画像では、実際そういう風に作っていると思えるようなものがたくさんある。そうしたものは、まったく嘘だったりもするけれど、まったくの嘘ではないけれど、事実が歪曲してあったりして、いずれにしても、まったくの現実でもないというようなものだ。

 

911のときには、旅客機が鉄筋コンクリートの高層ビルに飲み込まれるように消えていく画像を見ても、ほとんど誰も疑う人はいなかった。ビルに激突しているのに、翼がもげもせず、まるで建物がゼリーでできているかのように、機体の全体が飲み込まれていったのだ。今だったら、あんな映像が出たら、すぐにSNSであれは作られた画像だという情報が出回って、翌日には世界中に広まっていることだろう。